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歴史を助ける自然科学

考古学を学ぶ生徒にとって一番重要なファクターは対象物の年代の測定である。

日本の木造の建物をどのくらい古いか(何時の年代?)を推し量る決め手になるのは、使われた材木の年輪から推し量って知ることが出来る。

さて、古文書の時代考証の場合はどうかというと、残念ながら、最近までは鑑識者の知識による判定に頼るしかなかった

最近、名古屋大学の年代測定綜合研究センターが、日本で最初にはじめた「炭素14年代測定法」を頼って全国から古筆切や古典籍の類が続々と運び込まれているとの事(産経新聞4/10’09)

炭素14年代測定法:炭素14は5730年の半減期に従って、時間の経過とともに一定の割合で減るらしい。

この性質に着目して、1980年代から、大英博博物館がオックスフォード大、米アリゾナ大、スイスチュウリッヒ工科大、などと共同ではじめた収蔵品の時代測定をはじめたのがきっかけらしい。

紙料を約1ミリ幅で切り取ればそれで時代測定には充分とのこと

この精度について、名古屋大学では、2000~3000年前までならば+-、20年~30年ほどの誤差で測定可能(小田寛貴助教授)。

この技術を確認するべく、書写年代がすでに確定している古筆切3点を測定。複数回繰り返したが、結果はすべて「誤差」の範囲におさまったので、続いて、藤原俊成筆の伝承を持つ「願広切」の測定を試みた。

残念ながらこれは、年代が伝承のものと合わず、後世のものだと判明。

「御家切」は俊成の晩年作、又は後世の作者?、その内、唯一「了佐切」だけが、1161年頃の原本に近いことが判明している。

Photo 西行筆といわれる「源氏物語、「宿木巻」はこれまで鎌倉初期と言われていたが、それは室町初期の写本と言うことになった。

ここで池田教授は”書写年代を客観的に確定することは見果てぬ夢だったが、炭素14法の確立で実現しつつある、今後も研究を重ねたい”と言われている。

(写真:平家納経)

稚拙な質問と受け取られるかも知れないが、紙料の年代が測定出来ても、そこにしたためられた「筆跡」の鑑定は如何に?

贋作者は原作者より真剣に「製作」に励んでいることは事実、紙料のことより作者についての厳密な研究努力が大切?(ブログの筆者弁)

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