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勝者の論理

或る新聞の”オピニオン”の欄に去る、5月13日付ロシア「イズベスチア」電子版の南クリール(北方領土4島)に関する決定的とも言えるロシア側の意見が報道されていた。

これこそが、ロシアの北方領土に対する現実を踏まえた本音であると認識した。

ドミトリー・メドベージェフ大統領(43)が”ドイツ戦勝記念日に、赤の広場で「祖国の防衛こそが、我々に課せられた神聖な義務→それは即ち、全ての世代に貫かれる道徳的基準」と定義したと伝えた。

これこそが彼らの言うクリール問題への回答とし、現状は第二次世界大戦の結果であって、それは即ち今の状態以外のなにものではないことを明言している。

日本政府が長らく叫び続けている”北方領土の返還なくして日露の平和交渉はありえない”と言う主張は今後は通用しないことをハッキリ言い渡された形となった。

日本は彼らの二枚舌外交を今更なじっても、どうにもならない現実を甘受すべきで、先日来日した、ウラジミール・プーチン(56)が麻生太郎(68)に”ロシアには解決(北方領土問題)しないでいいと言う考え方もあるが、自分は逆に障害を取り除く必要があると思う”と言う、今回のメドジェーエフ大統領の演説と相反する意見を述べている

これは何を意図するか?

首相と大統領の意見が趣を異にしているが、プーチンは、麻生太郎氏にロシアではこれを解決しないで良いと言う意見があることを,はっきりと述べているが、その後、大統領が国民を前にして公式な演説で「NO]と言っているのだから、誰が考えても、大統領の言明(メドベージェフ)と一介の首相(プーチン)の非公式な個人的意見(麻生太郎氏との)が重要視されるかは明確である。

プーチンに同行、去る5月12日に来日した、モスクワ市長、ユーリー・ルシコフ(72)は日露知事意見交換会で、日露領土問題の解決には現実を見直すべきことを強調(過去に如何なる経緯があったとしても)、日本の意見である、ロシアが北方領土を不法に占拠していると言う意見は、「偏った意見」として批判している。

現にプーチンの帰国後、ロシアのメディアは一斉に、このルシコフの意見に同調して、強行に「(今や日露間に)領土問題などは存在しない」と主張、資源保護や漁業権に絡めて領土の保持を主張している。

現実、我が国はロシアの天然資源依存に外交のプライオリティーを置いていて、北方領土返還の叫びはトーンダウンしている。このことは現政府が、無下にロシアをこれ以上追い詰めることは国益にそむくことになると思っている証ではないか?

これを見越して、ロシアの独立新聞電子版が領土問題は、今後は日本の関心が資源確保や経済問題に移行するため逐次消滅にむかうことを示唆している。いずれにしても7月にはイタリアでG8(サミット)会談があり、そこで日ロ首脳会議が予定されている。イスベスチア誌が予言する通り、北方領土問題が決着を見るのは、そんなに遠い将来のことではない。

Map_of_russia 以前にも筆者は、このブログ上で、日米安保条約の不確定さについて述べたが、日本の唱える「非核三原則」が如何に無意味なものであったかと同じように、「北方領土問題」は始めから(相手側には)”なかった”と認識するべきであると言わざるを得ない。

※:ロシア地図

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