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人道的配慮に欠けたトルーマン大統領

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今から丁度64年前の今頃、7月末、日本を降伏に導くべく、連合国の巨頭たち、(アメリカ:トルーマン大統領、チャーチル英国首相、スターリンソ連邦首相)がドイツのポツダムに会い寄って「宣言」についての最後の詰めを話し合っていた。

しかし、その頃、日本と実際に交戦していた国はアメリカと中華民国でしかなかった。

この会合のお膳立てを考えたのはアメリカのグルー国務長官代理、スティムソン陸軍長官とバーンズ国務長官の3人と言われている。

グルーの最初の構想では、アメリカ大統領から、アメリカ単独で同年の5月頃に日本に伝達すると言うものであった。

ベテランのスティムソンはグルーの構想を入れて、柔軟な形の宣言案(天皇制の存続)をポツダムに旅立つ(7月2日)トルーマンに手渡した。

このスティムソン草案を往路8日間の船旅と、その後の会談中、バーンズとトルーマンは研究を重ね、それに誠に重大な修正を加えた。

それは「天皇制存続の保証」を削除、「日本国民の自由に表明した意思に従い」(第12項)と修正された。

筆者の知る限り、トルーマンは永年日本に関わってきたベテランのグルーの心情を知るすべもなく、ただアメリカの国内向け人気ばかりを気にかけていた凡人であったのではないかと思われる。

グルーは終戦後この修正部分にこだわり、トルーマンを直訴までしている。

とにかく、グルーの提案により同年5月28日、ワシントンで会議され、凡その合議が成されたのだが、最終段階でマーシャル元帥が理由を述べないで「ある軍事的事情」で継続審議することを強調した。

この事情は7月中旬に予定されていた原爆実験に他ならなかった。グルーは、当時「マンハッタン計画」が何を意味するかを知っていたが、マーシャルの趣旨は、これも秘密裏に進められていた陸海軍の沖縄進攻ではないかと考えていた

それでグルーは、沖縄戦の終了を見はからって「対日宣言」の提案を大統領に具申した。

筆者がトルーマンが愚直な平凡な人物であったと思う理由は沢山あるが、先ず、ポツダム会談の先にルーズヴェルト、チャーチル、スターリンが行ったヤルタ会談で、ルーズヴェルトが承諾した、ドイツ降伏後に「ソ連の参戦要請案」(同年2月)を実直に行うことが自分がルーズヴェルトから引きついだ義務と思っていたのではないかと思うからである。

2月→7月の約半年の間に世界の情勢は変わっていた。グルーにしてもバーンズにしても、ソ連に信用を置いていなかったし、ヤルタ会談の内容を中国にも説明せず、放置していたことも「配慮に欠ける」外交であり、マーシャル元帥から「新型爆弾開発」の時期も確かめずポツダム会談の開始を呼びかけたこと事態失敗であったと思う。

中国代表は、我々こそが永い間、日本に関わってきた「被害者」であり、三大強国のみでヤルタに寄って、中国を除外した場で、ソ連に介入の理由を与えたことに憤怒していたことは当然と思える。

それに加えて、原爆の投下とあわせて、戦後、あろうことか、ヤルタで話し合われたと言う「イスラエル建国」を自分が主役となって推し進めた罪は大きい。

いずれにしてもヤルタ会談時には「新型爆弾」は生まれていなかった

そこで語られたのは連合国の勝利を確実にするためと、アメリカ軍の人的損害を少なく抑える意味で、ソ連の参戦を要請したのであったが、ポツダム会議が始まる翌日、1945年7月16日にはトルーマンのもとに新型爆弾実験成功のニュースが届いていた。

そこで、トルーマンはこの爆弾実験の成功によって、アメリカの戦局の展開が変わったとは映らなかったのだろうか?

ソ連の参戦はアメリカにとってむしろ迷惑とは思わなかったのだろうか?

ポツダム宣言は1945年7月26日に行われた。(その時点で、スターリンは原子爆弾の仔細についてはソ連のスパイからの報告で知っていた)

何故か、トルーマンはワシントンに電報を送り、8月2日まで発表(release)を遅らすように命令している。

爆弾は広島に8月3日、長崎に8月9日に投下された

何故2度も投下したのかは、日本が態度を決めかねて引き伸ばしたので「駄目押し」の意味を持っていたと考えられる。以上、人道的配慮に欠けたトルーマンアメリカ大統領の行動。   以上、仲晃著「黙殺」参照。

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