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植物の不思議発見

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草木が花や実をつける仕組み、誰もがあまり疑問を持ったことが少ない「不思議」。

今まであまりに身近な自然の現象であったため省みられなかった、言わば、近すぎて忘れられていた不思議が最近、日本人学者によって解明された。

果実をつけるのに重要な物質が相次ぎ見つかり、穀物やバイオ燃料抽出に適した品種つくりの道が開けたと言われている。

20世紀の大半に渡り世界中の植物学者が探し求めていた、花を咲かせる物質「フロリゲン」を奈良先端技術技術大学院大学の島本功教授らのチームが、その正体を突き止めることに成功したと言う朗報(日経平成21年4月26日)がそれである。

毎年、決まった季節に植物は実をつけたり、花を咲かせるわけは、気温や日照時間の長さなどを植物が感じ取り生長を調整する。

このような自然からの「刺激」を葉で受けながら茎を通して、栄養を先端まで運び、その結果、つぼみをつけさせるのが「フロリゲン」の働きであると言う。

1937年、ロシアの植物学者、チャイラヒャンが存在を予想して以来、長く発見できなかった「Ha3a」と言う遺伝子がつくる蛋白質が発見された。

島本教授らは、世界各地で開花時期が異なるイネ64種類を栽培し、フロリゲンを働かせるのに重要な遺伝子である「Hd1」を比較、それぞれが成長の過程で品種ごとに微妙な差が出る原因がフロリゲンの量で調整できることに注目した。

謎は、“おしべ”と“めしべ”の関係。

植物が花が咲いた後、実をつけるには、受精が必要であるが、被子植物では雌しべに付いた花粉から花粉管と言う細長い管が伸び、雌しべの奥の卵細胞にたどり着いて始めて受精する。

何故化粉管は迷わずに卵細胞まで到達できるか?―

これは19世紀以来の学者の疑問であったが、名古屋大学の東山哲也教授は今までに少なくとも2種類たんぱく質が花粉管を誘導しているのを見つけて、これらを魚つりのギジ餌にちなみ「ルアー1」、「ルア-2」と命名した。

園芸植物のトレニアの場合、卵の部分が飛び出していて観察しやすい。それでトレニアを人工授精させて卵細胞の近くにある「助細胞」がルアー1やルアー2を出し、花粉管を引き寄せる役割をしていることを発見した。

そこでトレニアの近種のアゼトウガラシにトレニアのオシベと卵細胞を入れ替えたところ、異なる種と組み合わせでは花粉管は引き寄せられなかった。-拒絶反応?―

又、奈良の田坂昌生教授は植物が枝分かれを促す遺伝子を発見したといわれる。シロイヌナズナで見つかった「CUC2[CUC3]と命名された。枝分かれは葉と茎の付け根の細胞分裂によって起きることが判った。この例では二つの遺伝子が互いに補いながら働いていたと言われている。

フロリゲンを働かなくする薬剤をイネやトウモロコシに撒けば、花や実をつける栄養が成長に働き通常より大きく育つことも判っている。

面白いことに、枝分かれ遺伝子を人工的に働かなくすれば、枝打ちの手間が省ける樹木や、実が大きい商品価値の高い果実も出来る。

老齢化や人手不足に悩む我が国の農業の救世主になるのではと注目を集めているらしい。

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