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急がれる我が国の食料自給率確保の研究

月刊誌「選択」によると(2010年1月号)全世界で10億人が深刻な食糧不足に陥っているが、これが一向に改善される兆しが見えない事に関して、世界最大の農業国、アメリカが築いた巧妙な仕掛けが存在することを挙げている。

ジャーナリスト、マイケル・ポラン氏が最近の著書「雑食性のジレンマ」で“アメリカ人はコーンと大豆ばかり食べている”と食糧企業(アグリ・ビジネス)が国民の食生活をゆがめている事実を暴露、大きな問題に進展している。

最近のアメリカでの主要農産物中コーンと大豆の生産と、消費が伸びている事実は、そのこと自体が実は、世界の食糧危機と関係が深いという論調。

ここで先ず問題なのは、アメリカでの小麦生産が1990年に27億ブッシェルであったものが2007年には22億ブッシェルに減少、その同期間に大豆は、20→30億ブッシェルへ、コーンは80→120億ブッシェルとそれぞれ50%も増えた。

その主な理由はコーンや大豆は遺伝子組み換え技術の進歩で病気や害虫に強い上、収益性が高いと云うこと。

特にコーンは生産が過剰になればエタノールの原料として転用することを奨励し、生産過剰にかかわらず政府はコーン生産農家を補助金まで出して保護に努めている。

アメリカは自国の農産物を売ることで世界に強い影響力を持ち、世界に向かって自由貿易、市場開放を叫び続けていることは有名である。

アメリカは全世界の貧乏国から土地を奪っていることで不評を買っている事実は案外知られていないことを「選択」は指摘している。

これはLand Grabと呼ばれる手法だが、最近ではサウディアラビアのような産油国、韓国、中国の企業もこれに参入を始めたらしい。

これは開発途上国の耕作可能な土地を買い占め、自国利益の為に農業生産を始めると云う手法。

ウクライナ、ルーマニア、ポーランド等の肥沃な土地が先ず狙われ、やがてパキスタン、インドネシア、スーダンやエチオピアなどに及んだ。

土地を売ることに応ずる国はそもそも貧乏で、国内に既に飢餓が始まっている可能性が存在する。

その上、最良の耕作地を取り上げられるのだから住民には大きな打撃となる。

そのような処で、アメリカはエタノール用のコーン栽培を始めるとなると問題が起こるのは当然である。

エチオピア、ガーナ、マダカスカル、マリー、スーダン等からだけで、2004年以降既に250万ヘクタールの土地が外国の投資家と契約がなされたとのことである。

世界全体では既に2000万ヘクタールの肥沃な農地(日本の約半分の面積)が買い取られて、その結果、貧困にあえぐ未開国の人民がなをさら飢餓にあえぐことになり、人道主義を表看板にしているアメリカにあるまじき手段と言わざるを得ない。

ハッキリ云えることはアメリカ農業が小麦やコメの生産からバイヨ燃料増産のため、コーンと大豆に生産の中心をシフトしている過程において、ますます世界の穀物価格が高騰した事と、開発途上国の農民が外国の「商業中心主義会社」に彼らの土地を奪われて飢餓問題がますます解決不可能な状態に向かっていると思われる事が挙げられる。

その間、日本では食糧自給率が依然として40%を下回っていて、この問題を自力で如何に打開するかを延々と議論しているが、未だに回答がでていない。

世界の食糧危機の背景をこの際真剣に勉強することが必要で、市場のさらなる精査が、この期に及んで急がれるのではないだろうか?

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