« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

今後の日本の英語教育の理想

横綱白鵬の日本語を聞いていると、素晴らしい一語に尽きる。

正に英語で云う”impeccable”(非の打ちどころにない、完全に近い)日本語を話すのには驚くばかりである。

彼が何年、日本で生活をしているのか知らないが、彼がしゃべっているのは日常日本語会話の域を超えている様にも聞こえる。

日本人の中で他の力士と寝起きを共にし、幕下の頃にはチャンコ係や上位力士の付け人として苦労を重ねてきたと思われる。

語学の習得の近道はその国の人々と生活を共にすることである。

大学の英文科を卒業しても英語力習得には何の役にも立たない。

江戸の末期、遭難したところをアメリカの捕鯨船に拾われて本国に連れ去られたジョン・万次郎は、後年日米通商交渉では立派に通訳の役目を果たした。

一時日本で人気となったNOVAの英語学校は無残にも倒産してしまった。何故か?

その答えは、日本の文化、歴史を知らないアメリカの若者に英語を教えられると錯覚したからである。

京都新聞の平成10年2月21日の記事「正しい英語てなーに」・「ネイティブ信仰が根強い」ワケを読んで、我が国の若者の浮ついた横文字に対する淡いあこがれの存在を知った。

日本経済新聞は平成9年に何故か3回に亘って、それぞれ一段抜きの社説で我が国の英語教育の現状と欠陥について警告した。

第一回:同年6月8日“英語ができなければ国が危ない”、2回目は同年8月20日、“「英文和訳」思考からの脱却を」、3回目は同

今頃になって小学校から英会話を教えると云うのは結構だが、果たして誰が教えるのだろうか?

私はむしろ、教師の英語教育から始めることが先決ではないかと思う。

中学、高校の段階になれば、所謂「帰国子女」が混じるので文部省の英語教育を学んだ先生たちの英語は笑い物にされてしまうのではないかと危惧する。

これは一朝一夕には解決しない問題であり政府は長期計画で取り組むことを考えなければならない。

そこで小生の提案だが、英語教育を国家的プロジェクトとして、アメリカに英語教育者対象の専門学校を設立して、本当の英語を学ばせ、将来の教育者を要請する。

何故アメリカなのかと云えば、あちらには多くの日系アメリカ人が多く、まだ3世の中には日本語教育を受け、日本語の読み書きは勿論、日本の事情に詳しい人口が残っているからである。

この機を逃せば日系人も日本語が話せなくなる時が来る迄にはあまり月日を要しない。

中国、韓国は積極的に英語圏の国々に若者を送りだしていると聞く。日本人が今後世界に伍していくにはコミュニケーションを絶ってなならない。

アメリカの失業対策のためにも「英語教育専門学校」をアメリカに設立して若い教師の志願者を募って事を始めては如何かと思う次第。(美術史学会会員)

|

中国の不安は尽きない!

チャネル4の番組に「ほっとけない」と云うのがあるが、筆者が以前より警鐘を鳴らし続けている事柄に中国の長江ダムの現状がある。 この問題は現在では地域的なことであるので大々的には顕在化していないが、筆者が注目し出して、早や2年程であるが、日に日に危険が拡大しているらしい。

中国はこの現状をひた隠しにして、ニュースとしては報道していない。

去る719日、重慶晩報はダムの水位が過去最高に達したので船舶の通航を禁止することとなったと報じている。

18日の重慶市周辺の水位は27.15メートルとなり、これは警戒水位を5.48メートル超え、過去12年間の最高位を記録したこととなったらしい。

長江水文局でも上流で大洪水が起きつつあると警告し、流量はすでに毎秒7万立方米弱になり、1998年におこった歴史的大洪水の5万立方米を大きく超えているらしい。

三峡ダムの関門は閉ざされ、すべての船泊の通行は止まっている。事ここに至っても中国政府はこのダムの強靭さを誇示して、“この位の水の圧力にはダムは持ちこたえる”と云い続けているが、果たしてどうだろうか?

何処でも同じだが、ダム建設で常に最大の関心事となるのは、水没させられた地域対策である。

この三峡ダムでは長江両岸の人口密集地、農耕地等630平方キロ、移動を強制された数113万人と云われていたが、実際は1000万人程が被害者だと云われている。

この流域には赤壁やあまたの歴史的史跡や景勝地があったが、すべてが水没して忘れられる運命をたどったことは悲劇でしかない。

以前、エジプトのアスワンダムが計画された時には、ロシア他、多くの国の援助でラムセイの遺跡が水没しないように人工的に持ち上げられたことを記憶している。

毛沢東の悪政による「文化大革命」では貴重な書籍や遺跡がメチャクチャに破壊された。今回は中国共産党政府の下らない国家威力誇示の為に多くの人民が犠牲になり、日本をはじめ、ベトナム近隣諸国(旧フレンチインド支那)にも大きな被害が及んでいる。

この為に国が投下した費用は当初予算3兆円(邦貨)を遥かに超えて7兆5千億円に達したと云われている。

また、周辺への被害は、水質汚染、(既存の化学肥料工場、医薬品工場もろとも水没したため)、毒性原料が散逸して被害が増し、水質汚染で魚の大半が死滅したとの報道もある。

ダムの完成以来、地滑り、沿岸崩落によっておこる小規模地震、ひいては周辺地域での地盤沈下は頻発している。

移住を強いられた人民の雇用不安→治安悪化→小規模暴動の頻発も大問題となる恐れ大である。

こんな惨事が奥地で起こっている事実に背を向ける形で世界最大規模の上海万博が盛大に挙行されているのだから、中国の偉大さは日本の比ではないとも云える。

だが中国の抱える不安は数々あるが、それは、インフレでも不動産バブルでもないし、国力間摩擦問題でもない、「長江ダムの運命」こそが将来、中国の「ほっとけない」課題となると筆者は按じる。

|

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »