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再びCAS冷凍

筆者は最近の冷凍の技術のニュースに魅了されてしまった感があるが、CAS冷凍(Cell Alive System)の反響をグーグルのサイトで、この技術の特典を熱心に追ってみると遅まきながらこの冷凍法には数々の将来性が秘められていることが判って来た。

例えば、沖縄産の柑橘類シークワーサー、冷凍されてカチカチなのに、甘酸っぱい新鮮な匂いがする。

又、色が鮮やかなにんにくの芽、切断された脚部に血肉が鮮やかな鶏肉。生の色を留める生ガキ。10年前から保存しているコシヒカリの新鮮味等を㈱アビーの研究員、藤原隆司氏が強調する。

高級料亭が何故このシステムをこぞって取り入れるかと云うと、この方法では、食品の急速冷凍保存で起きる水分分離や細胞組織を破壊から守り、冷凍臭や食感の悪さ、風味やうまみの消失などの問題を解決、解凍時に生の風味が蘇る技術を挙げている。

この技術はただの技術ではないように筆者も思い始めた。

発明大賞を取得、テレビでも大々的に取り上げられている理由はこの辺にあると思う。

現場で試験用の磁石を持ってCAS 内に手を入れると、細やかな振動を実感するらしいが、その“揺れ”は磁石の内部から伝わってくるもので、この微細な振動の伝達によって一気に冷却する。

井筒忠雄氏(53歳、㈱サーモダイナミックシステムズ社代表取締役)に依ると、食品冷凍技術の紹介のコラムで・・・・このCAS冷凍の技術で、北海道産の新鮮な海の幸が冷凍して貯めおかれ、暇になる冬季に加工することが可能になり「雇用対策」に役立つと述べている。

同氏はまた、今まで、鮮度劣化が早いため製品にならなかったものや、廃棄していたものまで製品化できる可能性が生まれることを強調する。

通販の最大手楽天もこの技術を採用している。

今まで現地でしか賞味出来なかった食品を、何処でも鮮度を落とすことなく「食の通販」で利用できるメリットがあることを認知している証左である。

糖尿食は、糖尿病の最も効果的治療法であり、CAS冷凍で、最近では糖尿病食を扱う宅配サービスも増えているらしい。

糖尿病食に欠かせない低カロリー食材である豆腐やコンニャクなどは、冷凍することで味が落ちてしまう難点があったが、京都にある高雄病院の依頼で北海道の冷凍食品会社は(日経スペシャル「ガイアの夜明け」番組で「生活を変える“冷凍技術”」と題して発表)、CAS冷凍の技術でこの難問題をクリアーしたと報道されている。

ここまで述べてきて明らかなことは:

  産地と消費地が繋がったことで我が国の農水産業の未来に明るさが見えてきた。

  今まで技術的に保存が不可能とされてきた物産も今後消費者のために勇気をもって生産に取り組むことが可能になった。

  僻地や過疎地とされてきた地方の山村や漁村に働き手が帰ってくる希望が持てるようになり、活気が生まれている。(参考:隠岐中之島、海土町)

  TPPに日本政府が加入に難色を見せているが、米穀の長期保存でも味が劣化しないことが確実になることで農家に今後の生産計画が立つようになるのではと考えられる。

  冷凍食品の輸出が独立した産業になる。

  CAS冷凍技術で臓器移植や再生医療の技術進歩が確実視される。

生体や細胞の長期保存が期待されるさまざまな医療の分野で研究が進んでいると聞く。

1例としては、抜歯した親知らずなどの歯をCAS冷凍で長期保存、将来に本人に戻す「歯の銀行」も既に2004年に発表されている。

独立法人:医療基盤研究所霊長類医科学研究センター(茨城県つくば市)ではこの技術を利用して卵巣を傷めずに凍結保存する研究がなされている。

又、広島大学では歯根膜の凍結保存再生技術、ひと肝細胞の培養と冷凍保存方法が進んでいる事が判明している。

KAS 冷凍の保存期間は今では2年~5年間と云われているが、何時の日かこれも改良されてゆくであろう。

少なくとも長期低迷にあえぐ日本経済活性の起爆剤となり得る可能性を秘めた目新しいinnovationとなることは間違いないと信じている。

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