« カラカウア1世と日本 | トップページ | 太平洋上での日米海軍最初の遭遇 »

新天然ガス採掘法

海底油田の危険なくなる。Photo_3

近い将来アメリカが世界の最大の産油国になると云っても誰もすぐには納得しないだろう。

しかし、その可能性は高い。

かたく固まった砂岩(タイト・サンド)の中から、石油を取り出すタイト・オイルの実用化が2010年後半からいよいよ始まったからである。

2000年代になってから水圧で岩盤を砕くことで抗井に人工的割れ目4を作りガスを採取技術が確立、更に水平抗井掘削技術で3000メートルもの長さの横穴からシェールガスを引き出すことに成功したと云われる。

実はシェールガス(shale gas)の商業はアメリカでは早くも1821年ニューヨーク州デボニアン・フレドノア・シェール層から生産された。しかしその後、ドレーク油田(ペンシルヴァニア州)が1859年に開発されて後、シェールガスは採算性に於いて劣っていたので、立ち枯れとなってしまった。

ところが今年の6月、MITの研究で将来天然ガスはアメリカのエネルギー需要の40%(今では20%)にまでになると報告された。タイト・オイルの魅力は世界最大の石油消費国アメリカ本土内に大量に存在することである。

しかも、これまで油田の多くなかった東北部に主に存在することが判明している。

深海部油田のオイル採集には、およそ百億円の資本と、5年以上歳月を要するのに対して、タイト・オイルは掘削深度が地表から1000~3000メートル程度と、1ヶ月もあれば井戸が掘れる

シェールガス開発新技術を採用すると1バレル当たり30ドル以下に抑えることも可能と云う。(中東石油の場合では80~90ドル)

従って、メジャーのように技術力も資金力もない中堅石油企業にも今後は進出の機会が期待できる利点もある。

タイト・オイルの開発が今後早いペースで進むとすれば、これまで40年近くも低迷し続けていたアメリカの原油生産は1~2年の間に飛躍的に急増する可能性が出てきた。

民主主義国家の中で国内に、これまでに大量のタイト・オイルの埋蔵を確認済みの国々は、カナダ、オーストラリア、とインドであるが、同時に中国も300億立法メートル(2008年の国内消費量の約半分)のガス生産を目標としている。(早くもアメリカは開発技術供与の形で、中国でのシェールガス開発への中国からの投資を歓迎すると発表)。

従ってごく近い将来の内に、アメリカはイランやロシアを抜いてこの飛躍的な技術の駆使によって世界最大の石油生産国の仲間入りを果たすことが確実視されると期待されている。

|

« カラカウア1世と日本 | トップページ | 太平洋上での日米海軍最初の遭遇 »