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森林崩壊を防げ

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紅葉シーズンで京都も観光客でにぎわっているが、紅葉にもいろいろあるのでもろ手を挙げて喜んではいられない。

今年の紅葉は例年以上と人気だが、その中には「ナラ枯れ」が含まれていることを知るべきだ。

毎日新聞(12月2日)に依ると、ナラ枯れは、害虫「カシノナガキクイムシ」が運ぶ菌に依って幹が痛み木が枯れる現象とのこと。

夏場に発生する為、秋には紅葉のように見えるが、多くの場合、木全体が枯死している場合が多い。

この現象は、2000年度に全国で約350ヘクタールであったが、2009年には約2500ヘクタールに及んでいるらしい。

永年放置されてきた林野に被害が及び立ち枯れ、倒木が至るところで発生している。

「森林の崩壊」の作者、白井裕子氏(新潮新書、2009年)は“鬱蒼と細い木が立ち尽くし、陽も差さなくなった森、弱っていた木々が風雪に耐えられず折れ、立ち枯れた林。下草も枯れ、木の根が浮き出た地表。雨で木が根こそぎ流れ出て、露わになった山肌。水を潤す力さえなえた森から流れ出て、濁り大水となる河。食べ物が少なくなった山を降り、里を荒らす動物・・・・”

白井氏は“世界の森林問題が「木を切り過ぎる」ことならば日本の問題は「木を切らな過ぎる」こと、国土の三分の二を占める2500万ヘクタールの森林は、天然林53%人工林41%、残りは無立ち木地や竹林”と云う。

国土の半分以上が山地の我が国なのだが、高速道路造成にばかり力を注いで、山地では満足な林道の整備が疎かにされていたため、木材の自給率はたったの2割とはいかにも解せない。

世界有数の木材消費国の日本だが未だに輸入材に頼っているとは如何なものかと云いたい。この点、何故国が何らかの施策を講じる必要があるのでは?

京都新聞、1129日は、最近嵐山の国有林(59ヘクタール)を住民、研究者、行政の連携で今まで荒れるに任せていたものを再生させる努力に乗り出した事を報じている。

立ち枯れや、獣害などで若木が育たずに放置されていた山林を昨年から、嵐山保勝会、研究者、京都大阪森林管理事務所が結束して、陽光不足が認められる一定範囲の山林伐採を行い、獣害保護柵の設置と山内歩道の整備を開始した。

高く伸びた常緑樹に日光を遮られて、下草が欠乏して丸裸となった地肌を改修、今後落石や獣害への予防に努めて観光地としての嵐山を民間と行政の共同の努力で維持してゆく運動に拍手をおくりたい。

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