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対露外交の行方?

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菅直人首相対露発言「許しがたい暴挙」は日本国民に向けた選挙用の発言であって決して本音ではないことは誰にでもわかっている。

その発言を受けてのロシアの「日本側の領土的野心は受け入れがたい」と云う声明は正式であり、今後その発言の撤回の可能性はゼロとなったと云っても過言ではないと思われる。

それを判っていながらロシア出張をしなければならない前原外相の心中や哀れとしか言いようがない。

それならば、彼の任務は何なのか?

ロシアは2009年、樺太とカムチャッカ半島の中間にあるオーツク海の大陸棚の延長を国連に申請している。このロシアの主張が受理されれば化石燃料や水産物の豊富な海域の自国領への取り込みが成功する。

中国も東シナ海で日本側への延長を申請中と聞く。

大陸棚の資源獲得を巡る競争が世界各地で激しさを増してきている。

日本が北方4島を失うことが決定的となれば、この地域(オーツク海)での漁業権はおろか、周辺すべての国際的権限の放棄に繋がる。

ロシアの領土に対する野望は何百年の間続いている。

前々回のブログで記したように、19世紀、ロシアがアラスカを売り渡すまで、ロシアの関心はアメリカ大陸西部(今のワシントン州、オレゴン州とカリフォルニア州)にあった。

ロシアは我が国に対しても、サハリン(樺太)とクリール諸島(北方4島を含む)、アリューシャン、アラスカをつなぐ要衝として我が国の蝦夷地帯(北海道)の獲得を目論んでいた。

そのことは、第二次大戦の終了時に千島列島の占拠と合わせて北海道へのソ連軍の進駐を連合軍に要請したがアメリカの反対で実現しなかった事実からも明らかである。

ロシアがオーツク海においての自国の大陸棚延長を最初に申請したのは2001年、その面積は四国のほぼ3倍にあたる5万6400平方キロに及ぶ海域。

これが認められれば現在では公海の海底と地下に眠っていると推定される資源の探査、開発でロシアは主権を手中にすることになる。さらに加えてカニに代表される、豊富な海産物の独占的補獲の権利をも得ることは当然である。

2007年8月にロシアが北極点付近の海底にチタン製のロシア国旗を立て、ロシアの大陸棚がこの周辺にまで及ぶことを主張してアメリカ、カナダ、ノールウエー、やデンマークなどから反発を受けたことは未だに記憶に新しい。

南極海でもイギリスが数年来、自国大陸棚延長を主張していると聞く。これに対し周辺のチリ、アルゼンチン等が強く反発している。中国も日本の沖の鳥島の存在を疑問視、日本の海洋権益に反対している。

北方4島を含むクリール諸島の開発事業にロシアは今後積極的に中国、韓国の企業に参加を呼びかけている、これの意味するところは、自国の領土の復興事業計画を競争入札の形で周辺諸国に呼びかけていることに他ならない。

日本の将来を危ぶむ国民は多い!

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