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「タイガーマスク」の意味

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本日、(201134日)毎日新聞オピニオン欄で、元国税庁長官、大武健一郎氏の意見、昨年末より話題になっている“「タイガーマスク運動」を深堀りする”のコラムに注目した。

大武氏は「タイガーマスク現象は美談のようだが、この国の寄付にまつわる暗い“影”の部分を示す出来事であったと思う」と述べている。

筆者は大武氏が元国税庁長官であり、実地に我が国の寄付行為にたいする施策が、世界の標準に比較してはなはだ立ち遅れていることを認識していたことを告白されているように感じた。

大武氏は“何故マスクを付けなければ寄付できないのか?”と云うところを解析しているが、

大武氏は、かわいそうな人を助けたいと云う優しい心を持った人は潜在的にたくさん存在すると断言しながら、我が国では表立って寄付したことが明るみに出ると、ゆすりや、たかりに遭うことを恐れると共に、ひがみや、ねたみと云った感情にも直面することを嫌う人も多いのではとおっしゃっている。

次に、「何処から出てきた金」、「売名行為では?」等と云われることをも嫌う人も多いとか。

経団連会長を永く務めた土光敏夫さん(元東芝会長、1988年死去)は生前、教育機関に多額の寄付を続けていたことを隠し通した。

日本には「陰徳の精神」を尊ぶ考えが存在するからと大武氏は云う。

大武氏は“欧米では寄付に関する考え方が全く異なる”と云う。

筆者は仏教で説く「喜捨」はこれに匹敵する考えであると解釈している。

アメリカが未だ完全に統治されていなかった頃、市民は自警団を結成して自己防衛にはげまざるを得なかった。

そこで、国が何かをしてくれることを待っていれば長生き出来ない事情もあったので、自発的に自分たちが何かをしなければと云う考えが先行した。

強制的に金をとられるのは嫌いだが、成功の証として社会に奉仕することには名誉を感じる人も多くなった。(philanthropist=篤志家)

日本ではお上が篤志家のつもりになって、下々に対して“分け与える”と云う傲慢な考えが先行して、“お上から云われた通り”していれば自ら働いた分豊かになる思想に落ち着いた。

大武氏は税務当局は国民のすべての資産まで把握できていない、格差を是正しようと所得税率を上げれば金持ちは国外に逃げ出すのではと云う。

新年度税制改正大綱に寄付者への税優遇措置が盛り込まれるらしいが、そこに“魂”がなければ形だけ米国並みに変えたところで意味が薄い。

「タイガーマスクが何故現れるのか?」、この現象は国民すべてが真剣に考え、反省すべきことと思う。

本当の“篤志家”を国が育てることは、この国が“先進国”となる一里塚。

そこが元国税庁長官がおっしゃりたい本音だと感じた。

アメリカのJ F.ケネディー大統領は“国が何をしてくれるのかを問いかける前に、自分が国に何が出来るのかを考えるべき”と主張していたことを思い出した。

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