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英知に富んだ復興思考

Daiseidou

此のたびの大震災で岩手、宮城と茨城地方で壊滅に近い被災状態になり、膨大な土地が家屋もろともインフラ部分まで根こそぎなくなってしまっところも少なくないと聞いている

毎日のように新聞、テレビで一日でも早く復旧を急ぐべしという意見が聞かれる。

本日の毎日新聞の「余禄」のコラムに、17世紀にロンドンで発生した大火災で市街の9割が灰燼になった時、一建築家の発案により、それまで不潔で悪評の高かったロンドンが一気に今日見るような近代都市に蘇ったと出ていた。

(ロンドン、セント・ポール大聖堂)

これは1677年でのロンドンの大火のことで、その時、セントポール大聖堂を建てたことで有名な、クリストファー・レン(Christopher Wren,16321723)の提案になる「再建法」が制定され、家屋はすべて煉瓦造り、或いは石造となり、道路の拡幅も行われた。その時から世界初となる火災保険も生まれている(1681)。―ロンドンの火災はローマ火災(64年)、明暦の大火(1657年)、ハンブルグ火災(1842年)、シカゴ火災(1871年)、サンフランシスコ地震と火災(1906年)とともに長く歴史に残る大火災の一つに数えられている。―

“災い転じて福となす”の喩のとおり、過ぎてしまったことを嘆くより、今後を如何に復興させるかを国民の得られる限りの英知を汲みとり、後世に悔いの残らない住みやすく、魅力ある地方に再生させることを一日も早く始めるべきと考える。

筆者が端的に発言を許されるとすれば、先ずこの際、見苦しい地上の電線を廃止し、遅れていた下水設備を造成、地方全体の色彩を均一制のあるものに定め、けばけばしく見苦しい広告等を出来るだけ制限することで美しい環境をもった地方を造成するべき良い機会ではないかと考える。

この国家的一大危機に際して、国連に対し災害資金援助を要請するべきではないかとも思う。我が国は戦後早期に復興を果し、多くの発展途上国に資金援助を試みてきた。)

日本が今回の東電原発での放射能漏れ処理を誤れば、恐らく被害は世界の広範囲に及び、我が国も経済的に苦境に陥ることが予想される。

災害発生後の民主党政権の行動を見ていると、これ以上の失政を冒すことを危惧するあまり「自己防衛」優先の姿勢が見て取れる。

冒頭の毎日新聞「余禄」の記述に戻るが、関東大震災後、1923年、後藤新平の招きで来日した米歴史家、ビアード(Charles Austin Beard,1874-1948)は後藤に送った書簡で、「貴下が計画を実行すれば、日本国民は先見と不撓の勇気ゆえに貴下を記憶するだろう、・・・・・千年後の歴史家も貴下を祝福するだろう」と述べたが、残念にも後藤の提案は議会の反対で大半が縮小されたとのこと。

「余禄」も言及しているが、復旧ではなく復興でなければならず、大胆で先見性に富んで、千年先をも予見したすばらしいアイディアーこそ生かされるべき時であると信じて疑わない。

日本政府は今こそ、恥も外聞にもとらわれず、世界から惜しみなく知識を取り入れて、後世に再び禍根を残さない「大英断」が必要なモーメントに違いない。

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