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国際的な観光都市の条件

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京都西京区の嵐山国有林(約59ヘクタール)の再生計画については、以前拙稿で取り上げたが、本日(9/9)の京都新聞で「嵐山国有林、干ばつはどの成果報告」が目を引いた。

研究者や地元住民らが、昨年10月から約一年間、山の斜面など場所を決めて試験的に獣害対策や間伐に取り組み、景観を担う樹木の発芽する成果が顕著になったことがわかった。

アンケートから嵐山の山中を歩いてみたいと思っている観光客が多いことも判明、住民らはそのような声に励まされ、今後さらに活動を続ける決意に燃えている。

「嵐山再生研究会」、森林総合研究所関西支所(伏見区)等に地元住民が、昨年から行っている「薪拾いなどで山に人の手が入ることで嵐山の美しさが保てる」と強調、山を外から眺めるだけでなく汗を流して手入れをしながら全体の保全に熱意を燃やしている。

山の斜面、8か所を選び、植物の生育の比較調査を試みたり、間伐することで日当たり具合を改善、加えて柵を作って鹿などからの獣害からも山を保護する心配りをしたことで、少なくとも、各所に嵐山を求めて遊びに来る観光客のため、イロハモミジなどを植林して、さらなる魅力を引き出すべく努力を重ねている。

去る4月に行ったアンケートでも、嵐山の中を散策したいと言う希望が全体の89%であることが判り、それは地元民にとっての何よりの朗報であった。

825日の調査結果の報告では、今後も住民主体の「山造り」を継続することを確認、嵐山再生研究会の深町加津枝代表(44)は「人が山に入らなくなった中で、山を如何に維持していくかの基点になったのでは」と話している。

次の話題は、仲秋の名月を愛でる計画として、京都の大覚寺で旧暦の815日(9月12日)に開かれる「観月の夕べ」、910日から12日に向けて職員総出で準備に忙しいと云う行事案内を本日、9月9日の京都新聞{地域プラス}欄で見たこと。

平安時代に嵯峨天皇が大覚寺の大沢の池に舟を浮かべ、文人らと遊んで、名月を鑑賞した故事に倣って催される京都ならではの行事で、月を見上げるのではなく、水面に映る「月」を楽しむと云うシャレたイヴェントである。

これは、大覚寺が約20年前から周辺約1キロある池に龍頭船、鵜首船の2隻を浮かべて約20分間周遊し、抹茶を飲みながらお月見を楽しむイヴェント計画である。

お寺の職員総出で朝から船の掃除や、池面の水草除去して少しでも名月がよく池に輝るように配慮がされている。

華道課長の西村和記さん(44)は「この日を楽しみにして遠方から来て下さる人が多いので船の隅々まできれいに掃除をして、満月法会を迎えたい」、

池のほとりに設けられた祭壇には、団子のほか、サツマイモ、サトイモ、枝豆が供せられ月の仏、月天を招く、全て平安の昔から京都で秋に収穫され親しまれてきた物ばかりである。

京都を観光都市としてプロモートするとするならば、前述のような努力で地方色を作りだすことが欠かせないと思う。

京都には沢山の史跡や、文化財があることは知られているが、教科書で学んだ多くの文化財が、はたして観光客の”easy access”となっているのかと云えば決してそうではない現実を我々は反省しなければならない。

どこの寺に行っても、入場券の購入を求められ、しかも暗いお寺の内部は、観光客から閉ざされていて、有名な文化財を見ようとすると、宝物館で特別料金が必要と云われる。

有名な絵画やふすま絵などは、最近の模写技術で“本物に近い複製”を見て、おしまいと云われる。

有名観光寺での“夜のライトアップ”でも、信仰の対象と云う名目で、高い入場料を徴収される、などなど、まるで旅行者を食い物にすることを許している感がある。

この様な、地方行政の指導の稚拙さを知る者は、2度と近寄らなくなってしまうのではと心配する。

京都を本当に、世界に誇れる観光都市とするために、今後、国民総出演で問題に取り組まなければならないと痛感する。

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