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捨てる決断、アップルの教訓

Steve_jobs

去る10月5日、コンピュータ会社マッキントッシュ(アップッル)の前のCEOであったスティーヴ・ジョッブ氏(Steven Paul Jobs,1955-2011)が他界した。

驚いたことにジョブス氏逝去のニュースは全世界に大きな出来事として報道された。

ジョッブスは一度アップル社を解雇(1996年)されたが、2000年頃再び復職している。

丁度10年前頃アップル社は内紛や、商品戦略の失敗が重なった為、殆ど倒産の寸前にあった。

そのユーザーをライバルのマイクロソフトに持っていかれて、世界の大勢から孤立、何時倒産してもおかしくない状態にまで追い込まれていた。

会社経営の責任者として、その頃のジョッブス氏の心労は察ししてあまりあるものだったと想像する。

その頃、彼がカリフォルニア大学のバークレー校で多くの学生を前に語った標語”Stay Hungry, Stay foolish”は死を意識して、精いっぱい自分の心情を吐露していたのではと筆者は思っている。

自分の経営する事業の崩壊を目前にして、彼は“駄目でもともと”と云う心境に至ったのではと筆者は考える。

ジョッブス氏が実行に移した行動とは、全く普通の人間では考えも及ばないものであった。

彼はライバルでもあり、知人でもあった、マイクロソフトの会長ビル・ゲイツに正面から出向き、二つの事柄を頼みこんだと云われている。

日経新聞昨年の10月26日の記事によれば、それとは,①マイクロソフト製「ワード」の応用ソフトをアップル製機種でも使えるよう改良して欲しい。

②資金援助をお願いしたい。の二つであった。

人間が極限にまで追い詰められ、これ以上、後に引けないと思ったなら、諦めるか、さもなければ「敵前突破」に出るかしか術はない。

常識で考えても、その時、ジョブスがとった戦術は”foolish”と他人には映ったことだろう、特に相手が彼にとって、最大のライバル、ビル・ゲイツであったら、尚更である。

前述の日経の記事「一目均衡」は、“その時のジョッブ氏の心境を、”自分を捨てる決断“をしたと解釈している。

アップル社は2001年に従来の基本スフト(OS)に見切りをつけ、「OSX」と呼ぶ新OSに切り替え、全面刷新を試みた。これをすることで、以前のOSに準拠した応用ソフトとともに、これまで使用してきた人達の「熟練も水泡に帰す」ことも判っていた。

これは、今になって判ったことだが、昨年頃から旋風を起こしている”iPad”を操作すると、それはパソコンと云うより、テレビに近い感覚であることに気づく。(但し、当時すでに、ジョッブス氏の頭にそのようなアイディアーがあったか否かは不明)。

スティーブ・ジョッブスの突飛な懇請を正面から引き受けたマイクロソフト会長(当時)の腹芸も見上げたものだが、売れないOSに見切りをつけて“全てを捨てる”決断で事に当たった経営責任者ジョッブスのハングリー精神こそあっ晴れだったと拍手を贈りたい。

当てもないのに過去を捨てることは自殺行為だが、未曾有の環境変化や難問を多く抱える日本の政治家諸君、「捨てないリスク」に考えを致し、国家の改革に努力することを望みたい。

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