« フェートン号事件 | トップページ | 或る「ゴールド・ラッシュ」の後日談 »

中国の脅威的宇宙開発

Photo

去る4月29日、北京郊外の「北京紅天城」で内外記者団が招かれ有人宇宙船の訓練施設や、宇宙船とのドッキング実験用の無人宇宙実験室、天空1号が紹介された。

これは明らかに対外用の宣伝色の濃いもので、中国の宇宙事業の発展は宇宙空間の平和利用であると云い、この面での国際協力はこの分野のさらなる発展に有益であることを弁公室の楊利偉副主任は述べた。

中国の宇宙開発は人民解放軍の総装備部の担当、2003年の中国初の有人飛行で楊氏は脚光を浴びた。

楊氏は空軍パイロットの出身、1970年の軍事用衛星打ち上げの頃から関わっていると云われる。

ここで注目されなければならない事は、宇宙船打ち上げロケット技術は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射技術と基本的に同じであることである。

有人宇宙船の打ち上げ成功の実績でもって、中国は現実にアメリカを核ミサイルで正確に攻撃できる能力を持ったことになる。

未来のサイバー戦争を想定して、宇宙空間の制覇を念頭に中国は又一歩アメリカに近ずいたことになった。

既に中国は有人宇宙飛行技術では米、ロに次いで世界で3番目と思われる実力を備えた軍事国家と認められる。

これが中国が目指している「制天権」

“空天一体化の宇宙戦略”と呼ばれているらしいが、これで中国は空軍、海軍の力だけでなく、宇宙戦で世界的に優位な立場を確保しようと試みていることが現実になりつつある。

2004年の7月、空軍と宇宙開発を統合した「空天一体化」作戦を中国は策定済みである。

空軍用教材には、制空権確保のみならず、宇宙の戦場における総合的な統制権の確保し、作戦行動の拡大を目指すことを任務するよう書かれているとのこと。

既に中国は20年から30年以内に、戦闘機や衛星、ミサイル攻撃兵器の開発を通して衛星情報システムを完備させて「周辺地域の制空権を含めた軍事的優位性」の確立に向かっていることが判る。

空軍指揮下に「航空宇宙作戦指揮センター」を設立し、空軍を中心に将来の宇宙軍のための兵士の養成に」とりかかる作戦。

衛星の打ち上げ実績は既に120回を超え、2003年10月には宇宙飛行士が搭乗の「神舟5号」の打ち上げに成功、07年には老朽化した自国衛星の破壊実験にも成功した。(宇宙衛星を破壊する技術は他国にとっては正に脅威)

今年、11月上旬の無人宇宙船「神舟8号」と無人宇宙実験室とのドッキング実験も、総指揮官、常万全中央軍事委員会委員の指揮で行われた。

宇宙ステーションの建設の実力だけでも脅威の成功と云わなければならないが、

中国の目指す宇宙の平和利用以外のフィールドでの躍進には今後世界の注目の的になることは必定と考える。

(人民解放軍の表と裏、“軍主導の宇宙開発、京都新聞11/30/11)

|

« フェートン号事件 | トップページ | 或る「ゴールド・ラッシュ」の後日談 »