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日本の農業政策の特殊性

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我が国の教科書では“日本人は米を常食”とする民族だとか、“日本人の主食はコメ”と書かれているが、はたしてその通りだろうか?

主食と副食をわけて考えるのは日本人だけではないだろうか?

「米の消費量が急激に下がっている」、「我が国は米余りに困っている」のに、何故、国は国民に米農家を守る為に消費者に負担を強いるのか?

米、乳製品には高い輸入関税をかけ、米より遥かに生産規模が大きい野菜、果実の関税が低いことは、野菜や果物の関税を撤廃しても影響を受けないからである。

米に対する関税を世界の標準にまで下げても政府が心配するほど「外米」は入って来ないと筆者は考えている。

日本人の食に対する考え方は半世紀前とは大きく変わっている。全人口の何%が米なしでは生きていけないかを調査すべきだと考える。

もし、最近進歩した冷凍技術をもって、米を半永久的に保存できるならば、我が国のコメ事情は大きく変わるのではないだろうか?

米問題が解消して最も困るのは農家ではなく、これまでこれをメシの種にしてきた代議士だろう。

農業問題が貿易交渉で常に混乱するのは、我が国の特異な農業保護のやり方に原因がある。

政府が農家に補助金を交付する「財政負担」、消費者(国民)が安い国際価格ではなく、高い国内価格を農家に支払うことで農家を保護する「国民負担」(内外の価格差に生産量を掛けた額)のは無駄だと思われる。

政府は農家に永い間「減反」を要請しながら、それでも生産する農家対して何故交付金を出し、国民に無駄な“つけ”を押し付ける必要があるのだろうか?

米が無くなれば国が滅ぶと考えている為政者は、即刻考え方をなをすべきと筆者は思う。

“米がなくても日本は困らない”くらいに考えを変えるべきである!

今の日本人には、既に「主食」、「副食」の観念はない。

戦後、半世紀の内に我々は雑食人種に変貌した。殆どの若者は米の替わりに“ラーメン”を主食と考えるようになっているのではと思う程だ。

2006年の統計だが、農業保護の為の各国の負担は、米国が293億ドル、EUは1380億ドル、日本は407億ドル、その内の消費者負担では米国が17%、EUが45%に対し日本は88%である。

これで判ることは、日本の農業保護は殆どが国民負担で賄われていることである。

農業生産額に占める財政負担の割合は、米国の65%に比較して日本は27%と可なり低い。

日本の保護政策は財政ではなく価格で、特殊。

農家受取額に占める消費者負担も含めた農業保護の割合は、米国15%、EU33%に対し日本は55%である。

以上で判るように日本国民は、いわば、国家のいいなりになって苦しんでいるが、その間に、特殊な産業に従事している国民を必要以上に保護している事実に注目すべきだと筆者は思う次第。

(統計数字は独立行政法人:経済産業研究所調べによる)

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