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オークション制度のに関しての一考

本日(11/11/2011)複数の新聞報道で、東京の神田、東京古典会古典籍展観大入札会(東京古書会館)にて伊能忠敬作「伊豆7島図」と信長の妹のお市の書簡が競売にかかることが報じられている。

我が国では、古書や、一般の古物を売り買いするには警察発行の古物商鑑札が必要で、鑑札を持たない素人は参加出来ないこととなっている。

我が国では、欧米のように資格がなくとも一般人がこのようなオークションで売り買いが出来ないことを知っているひとはあまり多くない。

古物の売買を警察の管理下に置くこと自体、文明国では珍しいことであるが、未だこれの是非が国会で問題になったことを知らない。

その一つの理由は、業者の「故買」を警察が管理しやすいように統制する為であると筆者は解釈している。

云わばオークションでの落札価格は古物商の原価であり、これを公にすることに難色を唱える人も少なくないからである。

しかし、古物商が入札会で買い入れた商品を転売して利益を得たとしても、これの真贋には売り手が責任を持たなければならない。

「故買」とは盗品と知りながら商品を客に売りつける行為を云う。

贋作や盗難品と知りながら、あえてそれらを顧客に売りつける行為を取り締まるのが警察なのである。

反面、バブルの最盛期の頃、欧米のオークションで大枚をはたいて購入したゴッホのひまわり図が、結局は贋作と判明しても、これは購入者の責任であって、オークション・ハウスの責任とはならない。

今回の古書籍入札会で競売される伊能忠敬の伊豆7島図は、これまで“伊能中図”とよばれているもので、(縦149.3センチx横47.3センチ)測量下図を正確に写す際にできる針穴が多数残っていることから考慮してこれが伊能測量隊の制作になるものに疑いは少ないとの新聞報道である。

これは伊能忠敬研究の第一人者である大谷亮吉氏旧蔵であったらしい。

1815年(文化12)秋、伊能が熱海に滞在中、八丈島や三宅島など伊豆7島を実測、内陸部まで詳細な地名や地形が書き込まれた大図(伊能忠敬記念館蔵、国宝)の下絵ではないかとも考えられる。(信ぴょう性大)

これと同時に競売にかけられる織田信長の妹、お市の方(江の母堂)の書状について愛知県の古書の専門家のコメントが報道されているが、お市書状の極め付きの材料が皆無の状態では、これを真作とする決め手に欠ける。

この道の経験者である筆者としては、これら上記2作例を真剣に所望される方は購入に際しては、その道の「学者」の意見よりも、玄人の経験を重視して、差し値を提示、注文されるべきと考える。

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