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「国宝」所有者の管理義務

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青蓮院門跡(京都市東山区)は26日、所蔵する国宝の絹本着色「青不動明王二童子像」(俗称:青不動)を寺領内に安置する目的で総工費6億8000万円を費やして、裏山の将軍塚頂上にある大日堂に隣接して護摩堂を建立することを発表した。(京都新聞12月27日)

大護摩堂は重要文化財「平安道場」(京都市上京区)を京都府から無償でもらい受け、解体して、平成26年までに山上に移築する計画であると云う。

青不動像は、大津の円城寺の黄不動、高野山明王院の赤不動と並んで、三大不動明王図として有名な国宝の一つ。

これまでは京都国立博物館に寄託保存されていたものである。

先代門主、東伏見慈冾氏の代までは世襲制ではなかったが、現門主の慈晃氏から世襲制の門跡寺院となったとのこと。

青蓮院は「粟田御所」の別名があり、江戸期に京都御所が火災に遭い、一時天皇がここに仮寓されたことからこの名がある。

又、幕末の「鳥羽伏見の戦い」で傷病者を収容するため、青蓮院が使われて後、京都府立病院がここにて産声をあげたと云われている。

少し話が横道にそれたが、国宝を収納する為に6億8000万円を費やして、人気の少ない山上に護摩堂を建造する壮大な計画には驚きを隠しえないが、何故それほどまでして「国宝」を博物館から引き揚げて展示する必要があるのだろうか?

筆者の知る限り、国立博物館では保管するに値する美術工芸品は無料、無期限で預かっている。従って、所有者は必要な時には何時でも申請さえすれば持ち出しは自由なはずである。

国宝の保管については、可なり周到な義務を伴うことは云う迄もない。

従って、青蓮院は、今回の企画が如何なる目的をもってなされるのかをはっきりさせる義務がある。

それと同時に、管轄官庁である文化庁並びに、それらを管理する文化財保護委員会も文化財の安全管理に慎重を期すべきであることは当然である。

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