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日本の象徴を失うな!

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過去数年来、企業法人税軽減すべしとの声が高まっていたが、それは、それをしないと、大企業に留まらず、中小企業までが海外に生きる道を求めて逃げていくことを阻止しなければ、今後我が国での失業が増え続けることを憚ってからのことである。

12月号の「選択」がまさにその問題提起をしているので、紹介したい。

製造業の海外進出は、戦後波状的に何回か起きている、1970年代初頭に米欧との貿易摩擦でおきたエレクトロニックス、自動車産業の工場進出。85年9月のプラザ合意に伴う急激な円高に対応して大手から中堅企業までを包含した広範な東南アジアへの工場移転、90年代後半に起き、2001年の中国の世界貿易機関{WTO}加盟後、怒涛の流れとなった対中国進出らが、ザット今までに起こった我が国産業の海外進出の筋書きである。(選択、12月号より抜粋)

ところが、現在起きている事態の実態は、これまでの筋書きとはまったく異質なものである。

中堅、中小企業の場合、国内と国外を同時にバランス良く経営出来るほど溶融が無くなってきていると識者は見ている。

今起こっている企業の海外での事業展開は、国内事業の縮小、又は閉鎖を視野に入れた、いわば片道切符の「移住型進出」である。

人口の減少、少子高齢化による国内需要の減退、対ドル、3割以上の値上がりを見た「円高現象」、3月の東日本大震災に起因した様々な障害(電力と環境変化)、それに先に述べた、企業にかかわる公租公課に対する政治の無頓着さ等がここにきて企業の背中を押したと考えられる。

ニッポン製造業、とりわけ中堅、中小企業を政府はこのまま無作為のまま放置すれば、近い内に大変な事態になることを自覚すべきと考える。

愛知県東郷町、トヨタの正にお膝元だが、そこで中小企業の廃業が始まりつつあるとのこと。

3月以降、金属加工、塗装、メッキ、樹脂成型を専業とする10社ほどの中小企業が経営存続を断念、会社を整理して従業員を解雇したことが報じられている。

70年代以降、世界で最強と云われるようになった日本の製造業、特にその裾野が広い、自動車産業の下部でほころびが始まった。

今ではグローバル市場の覇者と云われている韓国でも、多くの中間製品、部品、素材等を日本からの輸入に頼っているところが多く、その証拠に、昨年の対日本、貿易収支は約2兆7400億円の赤字となっている。

3月の大震災以後、中国、韓国が日本の中堅、中小企業の買収に奔走していると聞いている、

日本の製造業は、今や、はずみがついたように外に向かっている、これは「産業空洞化」の最終ステージに入りかけている段階と「選択12月号」は分析している。

この”point of no return”から引き還ることが可能かどうか、今後の政治力次第だと考える。

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