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21世紀はロシアの世紀?

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19世紀末、20世紀初頭では世界中が、あたかも陣取り合戦のようであった。

1880~1912年頃、ヨーロッパ列強が行った、いわゆる「アフリカ分割」は、まるで禿鷹ガ弱い動物の死体をむしゃぶり、食い荒らすにも近い蛮行の競争に等しかった。

(ベルリン会議は1885年に開催され、コンゴの分割が討議され、その後のアフリカ大陸の取り扱いにいかの13カ国がその討議に加わった:

イギリス、オーストリア、ベルギー、デンマーク、ポルトガル、ロシア、スエーデン、スペイン、アメリカ、フランス、イタリア、オランダとオスマン・トルコ)

その後、アフリカ大陸は完全にヨーロッパ列強に制圧され、それぞれが殖民地化されたことは周知の事実である。

それから1世紀が過ぎても未だに世界各地でせめぎ合いが続いている。

(その当時では、イギリスは既に、インドを殖民地とし、清国に対し「アヘン戦争」を仕掛けて制圧、シンガポールを確保、フランス、オランダは、インドシナとインドネシアの殖民地化を終わっていた。)

20世紀に入ってより、相変わらず世界各地で争いは続いたが、それは陸地における闘争であったが、

最近になってロシアが取りかかろうとしている新領土確保の戦術は北極圏、海上の島(所在不明)に総額約64億ドルの巨費を投じて、ドーム式の未来都市「ウムカ」を建設することを明らかにした。

これは恐らくロシアの経済的領海内にある島を、人工的に加工して軍事拠点とし、周辺をロシアの領海として世界の認証を得る、領土拡張の戦略と受け止められる。

地球の温暖化により、夏期の北極海が自由な通航ルートとして見直されてきている為、この都市に軍隊を駐留させ、北極海域をの制圧して、通航、資源確保で有利な立場の確保が主たる眼目であることは確実であるとみる。

「ウムカ」建設に利用される島の名前、位置は不明だが、建設計画では「ドーム都市」で、そこには、5000人が居住出来る、かなり大きなものとなると云われている。

ロシアの豊富な石油、天然ガスを利用、ドーム内は最も暮らしやすい環境を保持すると発表している。

この都市には、兵舎、研究施設、住宅、ホテル、講堂、教会、学校、病院、スポーツ、娯楽施設も造られる。

当初は、兵士、情報部員、科学者などと、その家族らが住み、農場をも整備、食物の完全自足を目指すと云う壮大な構想である。

ウムカとは先住民語で「オスの北極熊」の意味。

欧州共同体(ユーロ圏)、英米の経済低迷の折、プーチン次期大統領らしい構想である。

ロシアが未来の中国を仮想敵国視し、北太平洋の覇権を鮮明にすることで、この未来都市が如何にその使命を果たすかは、他国にとって脅威となることだろう。

これが成功すれば、ロシアはこれを模した施設を複数造ることを計画している。

未来に向かって確固たる目的をもって、力強く進むロシア、それに比較して、確実性に欠ける「北方領土返還」に固執して、進歩のない我が国の為政者の生ぬるい姿を筆者は腹立たしい思いで観察し続けるしかない。

(このコラム、月刊誌「選択」12月号、P19参照)

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