« 写真機の名門「コダック社」の危機 | トップページ | "Medal Diplomacy"の競売 »

暗雲漂うプーチン首相の周辺

Photo

ロシア首相のプーチンにとって都合の悪い情報がアメリカに漏れた。

それは、プーチンの個人的なもので、西側外交筋は“プーチンが長期政権にこだわる理由は、”彼が政権を失ったときに刑事訴追されたくないからだ”と打ち明けている。

このニュースの発端は、「ロシア銀行」と云う地方の小さな銀行の元幹部が夜陰に紛れて関係書類一切を鞄に詰め込んでアメリカに持ち去ったことから明らかになったらしい。

この銀行は、ソ連時代の1990年に、地方の共産党を大株主として創設された。

プーチン政権誕生(2000年)から劇的に業績をあげ、04年にはガスプロム社の保険部門子会社「ソーガス」を破格な安値で買収、その後、06年には、ガスプロムの年金基金「ガスフォンド」、07年に、「ガスプロム銀行」を密かに、その傘下に収めた。

これら一連の商行為はプーチンの大統領時代に、メドジェーエフ(現大統領)を社長とし、取締役会の半分はプーチン直結の陣営であった為、物事はすべて問題なく成立した。

協同組合「オゼロ」(1990年代にプーチンが親しい仲間と共同出資で購入した別荘地の湖の名)、とは、プーチンの旧友で造るロシア銀行の大株主グループの名称。

この協同組合「オゼロ」のメンバーからただ一人、プーチンの名前が外されている、しかし、KGB時代のプーチンの同僚や彼に近い親族のらは株主名簿に記されており、正にプーチン一族郎党のファミリー・バンクと云われても仕方ない。

ガスプロムはプーチンの発言で始まったとされるが、それを動かしているメンバーは、全てと云っていいほど、プーチンの息のかかった「友人」ばかりであることが確かだとすれば、この会社組織こそプーチンの個人会社といっても過言ではない。

自分の側近達には極上の利権を好き放題に与え、忠実と思った仲間の家族にも手厚く接しる、プーチンの流儀は何か、1920年代の暗黒時代のアメリカを思い出させる。

アメリカに逃れたロシア銀行元幹部が、内部告発に踏み切った理由を調べた関係者は“銀行の収益がまるで貢物のように首相や大統領の別邸建築に浪費され始めたから”だと云う。

全土に26の邸宅、敷地が造成され、その中には「プーチン宮殿」との異名をとる程のきらびやかな邸宅まであるとのこと。

プーチン、メドジェーエフの年収は公称、1千万円台としても、彼等二人、家族達が見に付けている装飾品を見れば、彼等の収入が如何ほどのものかは一目瞭然で、もし、それを「貰いもの」と云えば、贈賄で、「自腹」と云えば、収入の過少申告と云われかねない。

ロシアの諺に「魚は頭から腐る」と云うそうだが、ロシアの年間の賄賂は、ロシアGDPの四分の一とも云われ、汚職追放を叫んでも、首相自身が利権を牛耳っている以上、汚職の止めようがないと思われ、プーチンの率いる与党「統一ロシア」から民心は離脱する方向に動いているのが現状らしい。

(月刊誌「選択」1月号より)

|

« 写真機の名門「コダック社」の危機 | トップページ | "Medal Diplomacy"の競売 »