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我が国の「冷凍技術」

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半世紀以前では、生鮮食料品の輸送には氷が使われていたが、昨今では冷凍技術の進歩のおかげで輸送船には保冷や冷凍設備が備わっているため世界の各地から、殆どの食品が適度に保冷されたまま食卓にもたらされる時代となった。

果物や野菜類、魚介類、牛乳、その他、殆どの食品は冷凍か、冷凍に近い状態で世界の各地からもたらされる便利な時代となった。

最近では、冷凍運搬船による輸送にも次々と最新の技術が取り入れられているが、その内、特に重要度が高まっているのが、CA(controlled Atmosphere)-調整大気―と云う技術。酸素を窒素など他のガスに置き換えて、大気中の酸素を十分の一程度にコントロール、食品を冬眠状態にし、成熟を遅らせて運ぶと、リンゴや他の果物などは半年以上も長持ちさせることが可能だとのこと。

又、コールド・トリートメント(cold treatment )も最近注目を集めている技術で“地中海ミバエ”など、果物の中に潜んでいる害虫を、輸送中、温度コントロールによって駆除も出来るらしい。

船倉内の温度やガス状態を自在に調節、食品の鮮度を損なわずに運ぶ機能を備えた輸送船は、いわば海を走るハイテク冷凍倉庫と言える。

日本の冷凍技術は世界の最先端を走っていると云っても過言でない。

最近の冷凍食品は、解凍後、如何に美味しく食べられるかを考えて加工されている。例えば“ピラフ”ならばご飯のバラバラ感を、“ハンバーグ”なら解凍後の肉汁の味わいまでも工夫されているとのことで、正に驚きである。

一昨年、このブログで、隠岐の島の海土町でのCAS冷凍事業を紹介させてもらったが、これまで殆ど過疎地と思われていた日本海の島が、冷凍技術のお陰で、東京の築地市場に直結されて、新鮮な魚介類を無駄にすることなく輸送、それで村全体に活気が芽生えたと云ううれしい話であった。

一時は町全体が、破産状態になった夕張市でも、これから優秀な冷凍機の出現で、収穫された果物でも時期を考えて市場に供給できれば、決し、将来を悲観することもないのではと思われる。

もう数年も前のトピックだが、ジャパン・フーズ&リカー・アライアンスが、水産卸大手の築地魚市場と天然高級鮮魚の販売事業で提携、解凍後も魚の鮮度が変わらない「誘電凍結方式」を導入したと聞くが、これが果して隠岐の島、海土町の導入した工法に近い性質の機械装置ではないかと思える。

従来の方法では冷凍中、表面と内部に温度差を生まれ、細胞が破壊されてうま味が抜けることもあったが、誘電凍結方式ならば、表面と内部が同時に凍結、細胞が生きたまま凍結され鮮度が失われないとか。

つい最近まで不可能と考えられていた「生クリーム」の冷凍技術もすでに開発済みと云う。船舶製造に関しては世界のトップ技術を持っている日本、最新冷凍技術を生かして世界に打って出ることは出来ないものか?

最近の「円高」を逆手にとって、鮮魚や、食肉に限らず、米や麦までを冷凍のまま輸入して半永久の備蓄が出来るようになるのならば、「TPP」交渉に何も危惧することはないのではと考えたのだが如何であろうか?

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