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最近の中国近代画

極端にいえば、浮世絵しか世界的に認められていない「日本画」に対して、何故か近代中国画が世界的に比較にならない程高いのは不思議と云わざるを得ない。

日本絵画はロシアの絵と同じように国際的価値が非常に低い。

人気がないと云えばそれまでの話だが、反対に何故中国画に人気が集まるのかも筆者にとって不思議に思えてならない。

例えば張大千(Chang Ta-Chien,1899-1983),最近のフランス公共ラジオの発表によると張氏の作品がの売上高は約五億5450万ドル(約443億7千万円)

アートプライス社に依ると中国絵画競売市場は2010年以来、取引額世界1の活況を呈しており、同社のランキングでトップ10に中国人画家6人が名を連ねていると云う。

張大千氏の次には、やはり中国近代絵画の巨匠、斎白石(chibai-sha,1864-1957)が約五億1060万ドルで2位、3位は、アメリカ近代画家、アンディーウオーホール(1928-87)、過去14年間に於いて13回トップの座を守っていた、スペインの世界的に有名画家、パブロ・ピカソの売り上げは約3億1470万ドルで4位と云う結果とのことである。

中国の近代、現代絵画は以前より香港やニューヨーク、ロンドンのオークションで可なりの人気を博していたが、最近の中国富裕層の購買意欲の高揚でさらに国際的にも市場価値があがっている結果をしめしている。

それに引き換え、日本の洋画界、日本画界を通して、日本国内では人気の高い画家(例えば東山魁夷、平山郁夫等)でも極端に知名度が低く、従って中国画の様な市場性のある名前が挙がって来ない。

日本の絵画の評価基準が「画家の経歴」「絵のサイズ(号)」におかれ、結局、俗っぽい表現では”ブランド思考”からの脱却が果たされていない。

横山大観の富士山の大作であれば、業者の保障さえあれば絵の出来栄えとか、色彩、構図などは二の次で、取引が成立する。美術市場は完全に業者が支配して部外者をシャット・ダウンしている状態では世界市場から取り残されても仕方が無い。

中国画家の面白いところは、例えば張大千にしても有名な贋作者として知られていることである。張氏の国籍は台湾、中国四川省の生まれ、若いころ来日、京都で絵の修業を積み京都芸術専門学校で3年間染色の修業をした経験を持っている。1931年(昭和6年)「唐宗元明中国画展」代表として代表」として来日、33年には中央大学芸術専攻教授を務め、36年に「張大千画集」を出版(上海中華書局)、1948年以後、香港を皮切りに、世界各地を歴訪、1953年にはブラジルに移住、アルゼンチンにも住んだこともあった名実ともに国際的な芸術家であった。

1957年「秋海堂」と云う作品が評価され、ニューヨーク国際芸術学会で金賞を受ける。74年カリフォルニア州太平洋大学名誉人文博士号を受ける。

前述した如く、彼は贋作者としても有名で、1999年、ニューヨークのメトロポリタン美のかてからの収蔵品、北宗の画家、薫源作「渓岸図」について、これが張大千の贋作ではとの疑問について専門家を交えて公開のシンポジュームが開かれたが、結果は未決に終わった。

少し横道にそれてしまったが、斎白石にも多くの贋作が知られており、これは、日本の富岡鉄斎の贋作の数よりも多いかも知れないと云われる。

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