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アメリカのエネルギー事情の展望ー2

アメリカの経済状態は間もなく「大変貌」をする前兆を見せている。

前号に引き続き「エネルギー革命」によるアメリカの貿易収支が恐らく急激に改善されると思われるからである。

筆者が見る限り、「選択」5月号によると、「シェールガス革命」によっアメリカの国際競争力が急速に改善される可能性が見られる。

水圧破水砕法や水平掘削法と云う掘削技術の開発で、地下3千メートル頁岩から天然ガスと石油の抽出が出来ることが確実になった。

現在のところ判っている埋蔵量だけで考えても米国が消費する年間天然ガス量の100年分か、それ以上の資源が確認されたことをオバマ大統領が一般教書で明らかにした。

~6年前まではアメリカは60%のエネルギー資源を輸入に依存していたが11年度ではそれが45%に改善された。

将来の予想では、エネルギー収支は悪くてトントン、うまく行けばプラス(輸出超過)に転じると予想する専門家もいるほどである。

アメリカ貿易収支の赤字は最近では450億ドル、それから原油の輸入額を引くと、それが182億ドルに減少することが判っている。

このトレンドが正しければ、アメリカの貨幣価値は上昇(ドル高)に振れると考えられる。

ボストンの電力会社NSTARは2月に1キロワット時、8.5セントから5.5セント(34%)に値下げした。これは、これまでの石炭発電から天然ガス発電に切り替えたためで、今度は、家庭用電力も同じように値下げすると言う。

或る州では電力の卸売価格を1キロワット時2セントにするところも出てきている。

因みに我が国の電力料金は16~17セントに相当するわけで比較にもならない価格。

これだけの料金差では将来、日本はアメリカ製品とどのようにすれば太刀打ちできるのだろうか?

アメリカの電力供給量は約4兆キロワット時だから、例えば、20%カットでは7200億ドルの節約が見込まれる。

アメリカのシェールガスが天然ガスに占める比率が10年度では27%、11年度、34%であった。

現在の予想では、15年度43%、35年度には60%と予想する。10年~35年の25年間にシェールガス関連投資額を1兆9000億ドルと見ているとのこと。その間の雇用人員増は160万人、その結果GDPへの寄与を2311億ドルと見込んでいる。

これを見ていると良いことずくめだが、「シェールガス革命」の経済波及を4半世紀後まで予測して研究しているところに、アメリカ政府のこれにかける期待が如何に大きいかが見て取れるような気がする。

これに太陽光、風力発電の研究が進むにつれ、石炭や原子力に頼らないで生産力を向上させるエネルギー開発の将来像が見えて来るような期待に胸が膨らむ感があり、将来に希望が見えることは嬉しい。

(詳しくは「選択」5月号参照)

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