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ベーリング海峡トンネル

Photo Photo_2 ベーリング海峡トンネル開通後の予想マップ(2図)

ロシアとアメリカがベーリング海峡のトンネル(100キロ)で結ばれることが現実になりつつあることは人類史上、画期的なことである。

ソ連時代では、思想の問題でアメリカとロシアが地続きでドッキングするなんて事は夢の又夢と考えられていたが、ベルリンの壁崩壊(1989・11・09)と、それ以前に起こった天安門事件(1989・06・04)以来、この二国は急速に接近を始めたと考えられる。

共産主義を放棄したソ連は、それ以後、何の迷いも見せることなく西側に接近し、中国が頑迷に、その思想に執着を見せる中、ヨーロッパ及びアメリカ陣営の仲間入りを果たそうとしている。

その間にあって、ロシアは日本が頑迷に「北方領土」を引き合いに出して、それより遥かに重要と思われる「日・ロ間問題」のことを考えようとしないし、中国は内部崩壊を恐れて「共産党体制」を堅持、資本主義陣営とは厚い壁で守りに徹している事実に嫌気して、急速にアメリカに接近していることが判る。

人類の長い歴史の中で、二国間をトンネルで結ぶ事業を起こした事実は、他には英仏間のドーバートンネル(34キロ)があるだけである。

イギリスとロシアの仲は昔から悪いことで有名である。ロシアがアメリカの友人であることは独立戦争時代から知られている事実で、此の事をイギリスは何百年の間根に持っていて忘れられないのではないか?

ロシア人とアメリカ人とは性格的に似た面があるが、この両国には、貴族的なイギリス人とは似ても似つかないところがある。

概念的に、今やアメリカとロシアは共通の目的を見出したように思われる。

それは「中国の脅威」と云う問題の共有と、北半球大陸間での地下資源の共同開発である。

アメリカもロシアの後ろ盾なしには中国の囲い込みの実現は不可能と思っていることは明らかである。一見、ロシアは中国に近いと思われがちだが、事実は反対で、ロシアとアメリカは事実上同盟関係にあると思われる程近い。

19世紀の中頃、アメリカの電信網は鉄道より遥かに早く発達した。それは今日のコンピューター・ネットワークに似て、蒸気機関と同様、新しい可能性を情報機関にもたらした。

アメリカの考えでは電信による情報伝達は北西に向かって、北アメリカを経由することで、昔ながらのインド経由より早くロンドンに到達することが証明されなければならなかった。

電信技術のパイオニアー、ペリー・マックドノー・コリンズ(Perry M. Collins)は電信を利用、アメリカを新しい大陸間商業の支配人と試みた。コリンズはこのことを、1857年、シベリアを単独横断したときに発想した。

コリンズはアメリカとロシアをつなぐ600マイルに及ぶ電信システムをベーリング海峡を使って試みると云う画期的な試みを国会に提案している。

これがなされたのが、アメリカがアラスカの買収を行った(1867年)10年以前のことである。

国務長官シュワードとウエスタン・ユニオンがこの事業に参画して取りかかった。この大事業、Russian American Telegraph Companyは残念にも、大西洋海底ケーブルに先を越されて「果されぬ夢」に終わったが、その頃からアメリカのロシア帝国にかける友情の絆の一端を偲ばせる事柄として興味深い。

イギリスの新聞タイムズは昨年、全長、100キロにも及ぶベーリング海峡横断トンネルが1000億ドルをかけて現実に開始されていて、2030年までに実用に供され、ユーラシアとアメリカが鉄道で結ばれると報じている。(写真)

この予想地図を見て判ることは、この戦略的鉄道路線が中国領土を囲むようにモロッコに通じていて、如何にも、米ロの計画は中国の封鎖を目指しているかに見える。

集団的自衛権の是非を巡って未だに小田原評定に明け暮れし、北方四島に拘ってばかりでロシアとの間で何の譲歩もしようとしない日本の将来は益々暗いものとしてしか映らない。

今朝の各新聞の報じるところでは、アメリカは今後、「自国の防衛を先行させる」と明言、新型ヘリ“オスプレイ沖縄への配備に関しては、今後は問答無用と云うジェスチャーを見せているが、さて日本の官僚はこのアメリカの態度にどのように反応するつもりなのだろうか?

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