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「ベーリング海峡トンネル」2

Bering Strait Tunnel Linking Russia & N.America will be World’s Longest

と云う見出しでAubrey Chang 記者の記事(Sept.21,2011.Ask.com)を紹介したい。

これは昨日のブログを修整する目的で、この記事の内容を最大限忠実に翻訳文の形態で伝えるものである。

ロシア(ユーラシア大陸)と北アメリカ大陸をベーリング海峡でつなぐプロジェクトで、今後、生まれる“世界最長のトンネル”構想は、ロシア政府により今月(2011・09・21)始め正式に承認された。

これが完成すれば全長65マイル(104キロ)となり、ドーヴァー海峡に出来たBritish Channel Tunnel,フランスとイギリスを結ぶトンネルの2倍の長さになる。

このプロジェクトは三か所に分けて構成される予定である。第一は、大ディオミード島(Big Diomede)迄、次は、小ディオミード島(Small Diomede)迄とし、それで、2大陸を結ぶ手筈となる。

この総工費は約$65billionと予算されて、これが完成すれば、全長3700マイル(5920キロ)となる予定で、現在、ロシア側のヤクーツクとカナダ側のブリティッシュ・コロンビアの間で工事が進行中とのこと。

これが完成すれば2大陸間にハイ・ウエイと高速鉄道、ファイバー・オプティック・ネットワークにガスと石油のパイプ・ラインが同時にできる予定である。

このプロジェクトの歴史は100年以上前、ロシア皇帝ニコラス2世が、1905年(日露戦争時)に構想したが、技術的な問題で先延ばしになっていたと云われる。

今回の構想は以前からあったが、2007年、ロシアの政治家、アレキサンダー・レヴィンサル(Aleksandr Levinthal)が、PPP構想(private public partnership)の名称でクレムリンが側からアメリカ側に提唱されたと云われる。

これは、ロシアの通産大臣、ヴィクター・ラズベジン(Victor Razbegin)RussiaTodayのインターヴューに答えた公式発表であり、ラズベジン氏によると、“工事は既に始まっており、ヤクーツク(Yakutsk)までの鉄道は15年来、進行中でこれが我が方の最初の工事部分で、一年以内に完成を予定している”

しかしこの時点(201111月)では、“未だ完全に全工程が決定した訳ではない、これには多数の国家が絡む政治的問題があり、必ずしも簡単ではない“と慎重な発言をしている。

この計画は時間が経るに従って現実味が加わってきていることは確実で、既に昨年の状態からはかなり前進している。

トンネル本体はともかくとして、ロシアとアメリカ、カナダ側のそれずれの国内での工事は日々確実に進行している。

トンネル自体の工事はほぼ15年が必要と云われ、去年の時点では、これの完成は恐らく、2045年とされていたが、今年の予想(別の新聞報道)では、2035年と前倒しにかわっていることからも、このプロジェクトが具体的に進んでいると思われる。

これがロシア側から西側に、少なくとも15年以前(1995年頃)にプロポーズされていた事を知るにつけ、この重大性を意識せずにはいられないと思う。

テオドール・ルーズヴェルトが日露戦争直後、日本の戦勝により、東洋からの脅威を感じとり、そこで、日本の封じ込めを覚悟、「オレンジ計画」を立ち上げて(1906年)、40年後に第二次世界戦争が開始されたいきさつがある。

当時、国務大臣を務めていたエルフ・ルート(Elihu Root,1845-1937)の顧客であった,鉄道王、ハリマン(Edward H. Harriman,1845-1909  は、ポーツマス平和会談の途中から来日、桂内閣の承諾を得て、戦後満州にて日米共同の鉄道網をシベリア鉄道と連結、鉄道と海運での「世界一周」計画が進むかに思えた矢先、会談から帰国した、小村寿太郎外相の断固たる反対で、この計画の破棄となった。

それまで日本に好意的であった、ルーズヴェルトはこれを聞いて、激怒、それ以後、日米関係が急変したと云われている。

いずれにしても、筆者が前号に指摘した、「米ロ親密」の歴史は、それ以後も根底的の民族間の心情はかわることなく連綿と続いていたと解釈すべきであろう。

又、100年前では、“日本”であった米ロのターゲットが“中国”と云う東洋国家にシフトされたと考えるべきであろう。

最近では北米大陸を中心にシェール石油ブームが叫ばれている。

それに加えて、北極海の海底探査も多くの国が注目している状態で、地下資源の供給、風力発電等、クリーン・エネルギー開発が益々進む事は確実であろう。

世界最強の米ロのドッキングこそ将来の世界を一挙に変えてしまうようなポテンシャルを秘めて、両者間では「夢」が膨らむばかりであろうと想像する。

日本政府はこれまで、「ベーリング海峡トンネル」のプロジェクトが可なり具体的に進行中と云うニュースを公にしたであろうか?

今年のウラジヲストックでのロシア主催のAPEC会談では何らかの形で公表の運びになるのではないだろうか?

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