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アメリカ沖縄軍事基地

アメリカは40年前沖縄を日本に返還したが、軍隊の沖縄駐留はそのまま継続する条件の上でのことであった。

ジョンソン政権当時の国坊長官、は内閣を代表しアメリカを訪問した、岸伸介元首相に対して、米軍の沖縄駐留の条件として、第一に米軍駐留について日本政府はそれを支援することに加えて、日本の軍事的な協力をも要請したうえで日米安保条約が成立した事実が、昨日公開された日米外交文書で明らかになった。

鳩山由紀夫氏が首相在任中に「沖縄海兵隊の存在が日本の防衛に如何に重要かを今になって判った」との意味の間の抜けた声明をだし、物笑いになったことは記憶に新しい。

佐藤栄作首相が沖縄返還の対米交渉を本格化させる直前の1967年1月、沖縄駐在の米高官が日本の外務省幹部に「日本の防衛と云うことなら沖縄はいらない。沖縄の基地を必用とするのは極東の安全のため」と言い切ったことが8月1日の京都新聞記事にあった。

多くの日本人はこれまで「沖縄米軍の存在」が日本の防衛のためだと思っていたが、アメリカ側からすれば、それは日本の防衛ではなく、主たる眼目は「極東の防衛」であることが今回明らかになった。これを裏返して考えれば日本だけの防衛には沖縄は要らないと云う論理である。

これを更に拡張解釈するならば、アメリカにとって、沖縄と日本列島は、アメリカ極東防衛には欠かせない「最前基地」とみなしているとも考えられ、ことさら日本は今後、自衛手段を考えない限り日本は外敵の侵略に曝されることも考えられる。

この時(1967年)のアメリカ高官とは沖縄で強い権限を持った高等弁務官のジェームズ・マーティン米公使。

67年、1月22日付の外務省極秘文書によると、この発言は、東郷文彦・外務省北米局長との会談で述べられたものとのこと。

マーティン氏は、「自由な基地使用が確保されなければいつでも全面返還した方がいいと思っている」と述べ、米軍の戦闘作戦行動を日米安保条約の事前協議の対象外として、沖縄が軍事基地の役割をなさないのならばその存在価値を認めないとでも言いたげな発言ともとられる。

沖縄の返還交渉において、日本側が、国内世論を理由に米軍基地の確保が困難(本土並み)と主張したことに対し、アメリカはそれならばアッサリと引き揚げると返答したことも今回明らかになった。

実際のところ、69年の佐藤・ニクソン会談で日本はジェームス・マーティン駐沖縄米公使提唱の「自由な基地の使用・・・」条件を日本側が容認させられた形での合意がなされ上、72年の沖縄返還が実現したことが今になってハッキリした。

その間、日本だけが沖縄の「本土並み返還」を国民向けに叫んでいたことになり、今更、これは許される、許されない、の問題では済まない、いわば国家的詐称事件と云わざるを得ない。

アメリカは、永い間フィリッピンと云う重い荷物を背負って50年以上苦しんだ、従って、沖縄諸島についても、なるべく国家負担を減らすべく返還に応じたが、国防の見地から必要と思われる軍事基地については他国の干渉を受けない条件で将来にわたって維持したいと考えたとして間違いはない。

一方、日本政府は沖縄が占領を解かれて、返還され、今後はアメリカ軍票でなく日本円が通用する本土並みの領土として復帰したことで喜んだ。お陰で佐藤首相はノーベル平和賞を授かったのであるから、すべて目出度し、目出度し、アメリカの人気も上昇した。

それに引き換え、ソ連邦は日本固有の「北方4島」を返還しない。これは国際法違反だと云って政治家連中が世論をあおったことも考えて見れば見当違いも甚だしい。

沖縄米軍基地が日本の思い通りにならないことがハッキリとした以上、日本政府はこれまでのデマカセの嘘を並べることは止めて、アメリカと現実的な国防手段を相談すべきである。

                                                                                                                                                                

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