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殺人飛行機「ヘル・ファイアー」の効果

アメリカが国際テロ組織アル・カイダの最高指揮者オサマ・ビン・ラディンを殺害に成功して以来、もっぱら無人機による攻撃で、アラビア半島のアル・カイダの指導者アンワル・アウラキ、ムスタファ・アブ・アルヤジト、アブヤヒヤ・アル・リビ等の重要犯罪人を「ヘルファイヤー」空対地ミサイルでもってピンポイントでかなり的確に殺害している。

「ヘルファイヤー」とは全長約15メートル、時速1600キロの高速で飛んでくる無人飛行機。

「MQー9リーパー」はヘルファイヤーを4基搭載して時速370キロ、航続距離1800キロの性能を持つと言われている」

ホワイトハウスの大統領執務室で、毎週火曜日の8時から「TERROR TUESDAY」の名のミーティングが開かれ、英米の諜報局の捜査に基き危険人物のリストが公開されてオバマ大統領を交えて標的となる人物の人選が討議されるらしい。

CIAから提出されている写真添付された書類にもとづき慎重な討議のあと、ワシントンから一万キロも離れたパキスタンの山岳地帯、イエメンの砂漠、ソマリアの街に潜むテロリスト達を個別に襲い、瞬間的に抹殺できるこのような新兵器を持つアメリカの技術は世界中の国にとっても脅威でない筈がない。

去る6月、隠れ家で殺された、アル・カイダのNo.2のアブヤヒヤ・アル・リビはパキスタン北西部の部族地域に潜伏中であった。

隠れ家の位置は事前に調べがついていて、その時ヘルファイヤーはリビの寝室だけに命中した。

このプロセスは殺害命令がワシントンからヴァージニア州のCIAに送信され、そこに備えつけられた特殊装置が標的となる人物の顔写真、直近の住所、周辺の様子を至近距離で撮影された画像で提供され攻撃開始となる。

まるでパソコンゲームのような話だが、これが現実に行われているプロセスなのである。

爆撃が成功しても、名の知れたテロリスト以外は情報を公開しないようにと云うのがオバマ大統領の指令だとのこと。

アメリカはブッシュ政権時代からパキスタン国内の戦闘に無人機を使い出したと云われ、数人の指名手配された人物殺害のために、これまで推定約2000人の一般市民が巻き添いになったと云う報告がある。

現実は標的となるテロリストの幹部を次々に殺しても、次々とそのれらの後継者が出現してくるので、アル・カイダ最高幹部が払底することはない。

現地では罪のない女性や子供の犠牲者の写真を公表してアメリカに対する憎しみが高まっていることは確かである。

911以来、アメリカ人達はアメリカを標的とするテロリスト撲滅を彼らの正義と認識して戦争を始めたが、未だ目的を果たすには程遠く、むしろ砂漠に水を注ぐ如く、効果なしの状態が続いていることに国民の苛立ちは日を重ねるに従って高まっている。

無人飛行機による遠隔地からの正確な攻撃技術を世界中に知らしめ、アメリカの防衛力を誇示するには効果を果たしたが、「テロリスト」撲滅には殆ど効果が無かったことも現実に証明された。

アメリカもそろそろこの悲劇的戦争に幕を下ろすことを考えざるを得ない時点にきていると思うが、悲しいかなアメリカにとっての「名誉ある撤退」は見つけられそうにない。

FACTA8月号を参照)

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