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天然ガス市場の将来

Tennnenn

我が国では原発を中止するか継続するかで喧々諤々、深刻な国のエネルギーの将来を左右するかのような大問題となっているが、海の向こうの      アメリカでは、既に2年以上前から「シェールガス革命」がまきおこって、同時に天然ガス生産量の増加が止まらない様相になっている。

今後は“持つものと持たざるもの”の論議は通用しない時代になっていることを我々は知るべきではないだろうか?

何故ならば、アメリカでは既にエネルギーに関して供給が需要を大幅に上回ってその価格は石油換算で1バレル(約160リットル)当たり10ドルと云う今世紀来最安値を記録するまでに暴落している。

米国では原則として自由貿易協定締結国間以外には天然ガスの輸出を認めていない為、急激な価格暴落は抑えられているとしている。

アメリカでの安いシェールガスを原料とする石油化学プラント建設ラッシュのあおりで正に関係産業の世界地図に激変が起こる前兆が見え始めたらしい。(月刊誌:選択8月号)

エチレン製造の米国と、ナフサからプロピレンやブタジェンの抽出に重きを置いていた日本との天然ガス事業だったが、ここへ来て、中東産油国に依存する日本は決定的打撃をこうむることがハッキリした事を認めざるを得ない。

何故なら、これまで百万BTU当り15ドルであったアメリカ産天然ガス価格が約七分の一の2ドルと劇的に下がったからである。

ダウ・ケミカル社は世界最大の年間150万トン生産規模エチレンプラントの建設を発表、これに続くようにエクソン・モービル、ローヤル・ダッチ・シェルとシェブロンらの大手がそれぞれプラント工場を建設する動きを見せている。

エチレンは軽量の為にコストに占める輸送費が大問題となっていたが、世界最大の消費国のアメリカ国内にプラントが出来上がれば今後は問題なくアメリカが価格競争で遥かに優位なポジションを得ることになる。

いくら中東で安いエチレンの買い付けに成功しても、そこには大きな消費市場が存在しないため、価格に於いてアメリカの敵ではなくなること必定。

さらに加えて、日本の大問題は、これまで中東に投下してきた天然ガスプラント建設費用が全く“どぶに捨てた”投資に終わると云う懸念である。

経済産業省幹部も“中東がエチレン生産能力を増加させても、中国、インドの需要増によって、エチレンの需給が均衡するシナリオはこれで崩壊した”と落胆を隠せない。(前出、選択)

日本では石油化学産業関係(例:プラスティック製造)は全体雇用数の一割にも達する重要産業部門なので、この産業分野の凋落は打撃甚大と云わなければならない。

最近起こりつつある家電産業や自動車産業等の業績不振に加えて、産業の根幹となるエネルギー事業の没落を目の前にして、この国の将来を心配しないではいられなくなった昨今である。

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