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フランス経済学者:ジャック・アタリのアジア観

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経済学者、思想家、オーケストラ指揮者等オールマイティー的存在のフランス人、ジャック・アタリ氏はアルジェリア出身のユダヤ系フランス人である。(Jacques Attali,b.1943)

初代欧州復興開発銀行総裁。ミッテランの側近、`81~`91まで大統領補佐官を務めた逸材の「アジア・太平洋の未来」題の寄稿文(毎日新聞)を見たので、以下にその抜粋を試みた。

アジア・太平洋地域は急速に台頭し、経済的に極めて重要な役割を担うようになっている。ところがどの国をとって見ても、アメリカを凌ぐようなスーパーパワーを保持する国は見あたらない。

まず、アジアは分断されている。経済的には技術大国の日本を韓国が追い、それに、国内に分裂危機をだかえる中国が続く。

ベトナムは発展が遅れ、インドネシアは混沌としている。

ロシアは極東で人口流出が進み、住民は中国人の割合が多くなっている。地政学的にも、アジアはバラバラで、軍事紛争の瀬戸際まで行くこともある。

経済的にも欧州のような共通市場を創出する状況からはほど遠い感がある。

アジア地域が発展するためには日本と中国の関係が良好になることが必要で、過去において独・仏間で永い間戦争があっったが、それが今日では両国がそれぞれの国内事情を乗り越えて歩み寄ったように、日・中もそのような関係を作り出す必要がある。

戦後、フランスではドイツの自動車を買わない運動も見られたが今ではそんなことは無くなった。

ソ連の解体でアメリカの「軍事産業複合体」は敵を必要としている。その主目標は中国。それには日本が中国と敵対関係にいなければならない。

アタリ氏によると今後、米国が中国とその他のアジア諸国をお互いに対立させることを望んでいるかの様な論調であることに驚きを隠せない。

まるでアメリカは戦争をし続けなければ國の繁栄が保てないと言いたげな書きっぷりである。

中国の安定と真の統一は望ましいことだが一部のエリート組織が今後の「民主主義」台頭を抑えきれるとは考えられない。

現状では中国は本当の意味での「軍事大国」からほど遠いし、これまでの中国の歴史を見て、中国全土を支配下に収めた皇帝はごく稀であったことを見てもこの国がこのまま平和で安定した状態であり続けることは無理との意見。

アタリ氏は欧州とアジアに跨る大国ロシアについて流石に異色の見解を披歴している。

彼によれば、中国がシベリアに進出したとしてもロシアはこれと言った対策を持たないし、現状を見ても、既にロシアの多くの都市はアムール川を挟んだ対岸の中国から大きな影響を受けている。

今や天然資源の豊富なカザフスタンも中国に傾斜しつつあるとの意見。

欧州は強いアジアを望んでいる、何故なら、アジアが欧州製品を購入し、彼らが発展すればする程アジアの給与水準が上がり、従って輸出競争力が弱くなることをアタリ氏は望んでいるかの様である。

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