« アメリカの尖閣諸島防衛のスタンス確認 | トップページ | 日本工業品生産の中国撤退始まる? »

大徳寺「五百羅漢図」の謎

Photo

明治の初期に仏教の排斥運動がおこり、多くの仏教寺院や中宮寺といわれる八幡宮や仏教寺院と神社が併合されていたところが破壊の憂き目をみたことては既に知られている。

その特徴的存在は、京都付近であれば、祇園社や、八幡の八幡宮であったが、臨済宗の大寺院の南禅寺や、大徳寺らもその例外ではなかった。

法隆寺なども経済的理由からか明治11年(1878年)寺宝157点を皇室に献納、京都の相国寺も貴重な寺宝であった伊藤若冲の「動採絵」30幅を納税の替わりに皇室に献上して苦境を凌いだとも云われている。

奈良の興福寺もその例外ではなく、貴重な「五重塔」までも売りに出したが買い手が付かず難を免れ今日に至っている。

その頃明治政府は所謂「お抱え外国人」としてアーネスト・フェノロサ

(

Arnest Fenollosa,1853-1906)を最初、哲学の教授として招聘、後に岡倉覚三とともに美術行政の専門家として雇い入れ、東京大学で美術教育の育成を依頼した。

フェノロサの友人であったスタージス・ビゲロ(William S.Bigelow)やエドワード・モース(Edward Morse)チャールス・エドワード(Charles G,Weld)らは当時、彼等にとってはタダ同然と思われた膨大な量の日本の美術工芸品を主にボストン美術館に運んだ。

その中には東大寺の法華堂根本曼荼羅や有名な平治物語絵巻のような国宝級逸品も含まれている。

20世紀の初頭までにボストン美術館は日本、及び中国美術分野でのコレクションは世界最大のものとなった。

19世紀末頃数回にわたって日本美術の展覧会がボストン博で催されたが、その最後を飾るものとして1894-95年(明治27-8年)に「京都大徳寺蔵中国古代仏画特別展」が行われた。

これは中国仏教のメッカ寧波で14世紀(南宋時代)に描かれた100幅からなる五百羅漢図で永く大徳寺の秘宝として知られていたものであった。(写真)

ご多分に漏れず、仏教寺院である大徳寺もその頃では財政難にあえいでいた頃であったので、フェノロッサのつてで海外での展覧会を催して資金の獲得に臨んだのであった。

2009年8月、奈良博物館で特別展「聖地寧波」の名称で大徳寺所蔵の五百羅漢が展示された。しかるに、その説明書を見ると「82幅のうち」となっていて、大徳寺には元来所蔵していた100幅の内、18幅が欠けてしまっていたことに気づいた。

1895年、アメリカでの特別展が終了したとき求めに応じて「資金獲得」の理由で10幅を処分したことは知られている。その内訳は、10幅がボストン美術館に譲渡され、後に2幅がフェノロッサの手を通してワシントンのチャールス・フリアーの所蔵となった。

それなら、現在大徳寺に82幅しか残存していないならば、あとの6幅は何処へ消えたのであろうか?

この辺の事情を「ボストン美術館東洋部小史」、Jan Fontein.1898年4月1日、㈱木魂社  15頁に“Before the exhibition returned to Japan, the Daitoku-ji sold ten of the paintings to the Museum of Fine Arts to pay for urgently needed temple repaires, and two to Chares Freer to cover traveling expenses.

This great acquisition 

was one of the services Fenollosa was to render to the Department of Asiatic Art.”

(10幅はボストン博が大徳寺の要請で公式に購入を決めたことは判っているが、その他の二幅のことは( )うちで記されていて、フェノロッサが個人的に友人であり,スポンサーでもあったフリアー氏に商行為として売り渡したともとれる意味合いをもって書かれている。

ボストンの10幅は寺の修復目的で、フリアーに渡った二幅の金額は詳細も不明だが、大徳寺の代表者の為の旅費捻出のためだったと記されている。

それでは残る6幅の行方と所在に就いてどのように説明が付くのか今となってはハッキリとしないが、もしこの辺の事情が判れば幸いだと思っているが如何だろう?

それら6幅がアメリカでなく、日本のどこかの個人所有となっているならば、さらに困ったことになるのではと思う次第である。

                           

|

« アメリカの尖閣諸島防衛のスタンス確認 | トップページ | 日本工業品生産の中国撤退始まる? »

コメント

カッコいい!興味をそそりますね(^m^)

投稿: グッチ 店舗 | 2012年11月19日 (月) 23時55分

If you are willing to buy a car, you would have to get the credit loans. Furthermore, my sister usually utilizes a small business loan, which supposes to be really rapid.

投稿: WilkinsonTracy | 2012年12月12日 (水) 00時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/304622/47606168

この記事へのトラックバック一覧です: 大徳寺「五百羅漢図」の謎:

« アメリカの尖閣諸島防衛のスタンス確認 | トップページ | 日本工業品生産の中国撤退始まる? »