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神泉苑と百花亭

Kami 神泉苑

京都市埋蔵文化財研究所は11月28日、平安時代の貴族邸、藤原良相邸(百花亭)跡地で文字を記した一群の土器を発見し、そこに記された書体が「ひらがな」の最古の遺品ではないかと発表した。

これらの土器片は西三条第跡地であると云う。土師器の皿など約20点に墨書で平仮名で記されていた。このような文字は、これまでの研究では10世紀後半にしか見られなかったらしい。

これが発見されたのは、京都市中京区の西三条第「百花亭」址でそれは藤原良相(813~867)。良相(よしみ)は摂関政治の基礎を築いた藤原良房の弟で、文学や仏教に造詣が深い文化人であったとされている。

これを発見した井上満郎所長は“平安前期の文化が見えて来る”と所見を述べ、平仮名への変遷過程とともに、当時の貴族文化や文字の解明の助けとなることは確かであろう。

新聞記事には近辺の略図が添えてあるが、それは二条城の西南の近辺にあり、筆者が考察するところ、略「神泉苑」のごく近くであることが判る。

京都の略中心を東西にはしる「御池通」の御池の名称はかねてから神泉苑の池を取ったのではと筆者は考えていた。

ウイキペディアで調べると、神泉苑は東寺真言宗の寺院。不動明王、弘法大師を祀り、もとは平安京の大内裏に接して造営された天皇の庭園(禁苑)であった。

延歴13年(794年)、平安京遷都とほぼ同時期に造営されたもので、史料に初めてその名が見られるのは「日本記略」の記事、延暦19年(800年)、桓武天皇が行幸したことで知られる。

神泉苑には竜神が住むと言われ、天長元年(824年)に西寺の守敏と東寺の空海が祈雨の法を競い、空海が勝ったことから以後東寺の支配下に入ることとなったと云われる。

この神泉苑は元来二条通りから三条通りにかけて南北約500メートル、東西に約240メートルに及び、池を中心とした大庭園であったが、慶長8年(1603)の徳川家康の二条城造営により敷地の大部分を城内に取りこまれてしまった。

また、天明の大火(1783年)で堂塔、社殿が焼失している。

従って、この近辺は神泉苑の池の水流の影響で常に湿地帯のような地盤で西三条第(百花亭)の池の水源も神泉苑からのものでははなかったかと考えられる。

文化都市京都に住んでいると時としてこのような発見が見られ、考古学愛好家にとってはきょうみが尽きない。

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国産洋上プラント技術は世界的

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世界には、プロジェクトの主契約者として、洋上プラントの設計・資材調達・建設・所有・操業までを一貫して行える業者は4社しかなく、その内に「三井海洋開発」が入っていることを初めてダイアモンド誌10/06号で知った。

最近では我が国小笠原諸島東部の南鳥島付近の海底に無尽に近いほどのレアアースの堆積が見られるニュースを聞いて意を強くさせられたが、ダイアモンド誌には三井海洋開発がこのような海底に眠る石油・天然ガスの開発に必要な洋上プラントの建造で、世界2強の一角を占めるほどの技術の蓄積を蓄えた会社であると記されている。

この会社の社長兼CEOの宮崎俊郎氏の解説によると、同社は去る9月12日、マレーシアの国営石油「ペトロナス」より、最新型洋上プラントの基本設計を受注した。

同社は1968年の創業、その後業績低迷で80年に解散し、再び三井造船の100%子会社として再出発したらしい。

今のところ国内にはライバルの存在はなく、顧客のメーンは石油メジャーや産油国の国営石油会社が中心。

振興の韓国のような国には、大型造船の技術をもつが洋上係留プラントの能力を持ち合わせないと宮崎社長の弁。

宮崎氏によれば世界のエネルギー需要は中長期的に増加が続き、今後の目標はアフリカ近辺とのこと。

日本近海では最近問題になっている尖閣諸島でも実際に日中共同の海底探査の段階になれば三井海洋開発の出番になるのではと希望を持って眺められる。

日本には、海水の淡水化技術を筆頭として、東レの炭素繊維技術、宇宙探査の衛星打ち上げ、「新幹線」等、世界中で嘱望されるような「輸出品」を少なからず持ち合わせていることを忘れてはならない。

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映画「荒野の決闘」についての謎

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古い映画ファンなら必ずと言っていいほどジョン・フォード監督の戦後初の西部劇映画「荒野の決闘」を記憶されていることと思う。

筆者もその一人だが、この映画の名称が “マイ・ダーリング・クレメンタイン”であったことを最近知ったのであるが、映画の中では酒飲みの外科医ドック・ホーリデー(ヴィクター・マチュアー)を東部のボストンからはるばる訪ねて来る美しい恋人の名前がクレメンタインとなっている。

監督のジョン・フォードが若い頃に西部での歴史上の人物の保安官ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)に直接逢ったと言われているが、アメリカの勧進帳とも考えられるアリゾナのツームストーンでの果し合いを戦後最初の作品に選んだ。

最後のシーンでワイアット・アープがクレメンタインと別れる場面で流れるメロディーがこの映画の筋書きとは全く関係のない、“オー・マイ・ダーリング・クレメンタイン(Oh My Darling, Clementine)であったが、この歌は作曲者ははっきりしないが、アメリカ西部のフォークソングとして1884年にパーシー・モントローズが作曲したとされている。

この曲の内容:美しいバラードだが実際はゴールドラッッシュ(1849)時の金鉱探しの娘、クレメンタインに起こった悲劇じみた筋であることが判る。

クレメンタインの足のサイズ(9)が大きすぎて女物では間に合わず靴の替わりに「鰊の箱」を履いて歩いて、つまずきコケタことで死んだことになっている。

Light she was and like a fairy, and her shoes were number nine herring boxes, without topses, sandals were for Clementine.

Drove she duckings to the water every morning just at nine. But,alas,I was no swimmer , so lost my Clementine

大略は彼女は肌がきれいで細身だったが、靴のサイズが「9」で出来あいがなく鰊箱を履いて歩いたので泳ぎができなかった彼女は塩水の泡に溺れ死ぬこととなった。Thou art lost and gone forever, dreadful sorry , Clementine.-

そこで私は君を永久に失うこととなり大変悲しい!

しかしこの唄は永く謳われてアメリカ西部のフォークソングの代表作と思っていたが、この様に全くふざけた内容を知って或る失望感を覚える。

例えば、その永い歌詞の一節に”How I missed her! How I missed  her, How I missed my Clementine, Till I kissed her little sister, and forgot my Clementine”つまり3度も彼女を失って悲しいと叫んでいた男が彼女の妹にキスをしたことでクレメンタインを忘れることができたと云うふざけた節になっている。

ジョン・フォードが何故に「オーケー・コラールの決闘」の主題映画名を「クレメンタイン」にしたのかも理解しがたいと思っている。

この由来の仔細を御存じの お方のご教示を仰ぎたいと存じています。

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過剰処方と医療扶助の病巣

生活保護費年間3兆円と言われているが、ところが、生活保護費用を国から受給している医療扶助(どれだけ薬を貰っても、何回診察を受けても受給者なら全てが公費負担)に流れている金額がなんと1.5兆円。

 

このような待遇を受けることを「権利」とはき違えて、せっせと病院通いをする人、これに対して「過剰診療」「過剰処方」をあえて行っている不埒な病院、診療所の「錬金術」を戒め、罰する法律はないものだろうか?

 

大阪の西成区の生活保護受給者約80人が暮らしている支援施設「陽だまり」を経営する宮地泰子さん(67)は捌き切れないほどの医薬品を入居者が持ち帰り、使わず捨てた薬の束が段ボールから溢れかえり、仕方なく近所の薬局に引き渡して捨ててもらっていると嘆いている。(産経新聞1124日)

 

腰痛に貼り薬、や胃薬、眠れない患者に睡眠導入剤、それも複数の診療所にかかれば薬の量は増えるが、それがまるで「日課」になっているような老人や浮浪者には良心の呵責なんかはないに等しい。

  

その「悪しき習慣」に便乗するかのように処方を続ける医者と薬局との関係を断ち切り、少しでも国民の税金負担を減らせないものだろうか?

 

「陽だまり」施設では薬の服用を巡って問題の多い一部の入居者と契約書を交わし、薬を手元に置かずに預けること、スタッフの目の前で服用することで合意したとのこと。

 

それで薬が捨てられ始めての段ボールに捨てきれない程の摂取されない医薬品が貯まり始めた。

 

宮地サンは、”受給者が一部でも医療費を自己負担する制度にすればこんなことにはならんくて済む”との意見。

患者の中には”医者に嫌われたくないので薬を断れない”と云う発言もあるとのこと。

生活保護受給者の医療費は一般の3倍に及ぶと言われながらこの対策が打たれていないのは何故だろうか?

 

生活保護者のために年間4.5兆円もの大金を国民の税金から出ていると聞けば大問題と騒ぎ出すべきなのだが、これが国会の議題になっていない事に筆者は疑問を持つ。

 

流石に財務相はこの点に、全額公費負担は論外との意見で今後システム改善に乗り出そうとしているらしい。

 

一般の診療費の約3倍の額が受給者にかかっていることが判明していることがわかっているが、何故生活保護を受けている人達がそんなに医療費を使うかは、診療を受ける側だけの問題ではなさそうである。

 

先日、三井厚労相が就任早々に、「全額無料はあり得ない」と一見勇気のある発言をしたが、その数時間後に「慎重にしなければ」とすぐさまトーンダウンしてしまった。

 

金銭的な理由で受診を抑制することは避けるべきとの日本医師会の発言には筆者は何か複雑な事情を感じざるを得ない。

 

 

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クボタの耐震性水道管

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震度9を記録した昨年の東日本大震災で水道管破裂による断水事故を防いだと云う㈱クボタが開発した「耐震型ダクタイル鉄管」は現在世界中から注目されようとしている。

この水道管の特徴はダクタイル鋳鉄と云う粘りが強靭な材料にあると云われている。

耐震型ダクタイル鉄管はパイプとパイプの接合部(継ぎ手)が伸縮し、地震による地盤の変動を吸収する。

さらに大きな地盤の変動で、継ぎ手の可動域以上に管が動く場合、「抜け止めの機構が働くため管道の機能は維持される。

耐新型ダクタイル鉄管による管道は、それぞれが鎖のように激しく動いても外れないことから「鎖構造管路」と呼ばれる。即ち、管の継ぎ目が大地震による地下振動でも非常に外れにくい特製があることで注目されているのである。

地震多発地帯のアメリカ西海岸のロスアンゼルス市水道局も早速このクボタの水道管に着目「ZENEX」と呼ばれているこの特殊水道管を試験発注したと云われる。

1995年の神戸淡路大地震、昨年の東日本大震災で実力を見事に証明したのであるからこの「耐震性ダクタイル水道管」にとってはこれ以上の安全保証はあり得ない。

実はクボタは1974年(昭和49年)にこの技術の開発に成功しているとのこと。しかし16年の間に2度も発生した日本での大地震に断水を発生させず無傷の状態で給水を維持、多くの住民の命を救った「水道管」に世界が注目しないわけがない。

日本で新たに敷設される水道管の43%がクボタ製のものが使われるが、平成22年度調べではその普及率は未だ全体の1%程度らしい。

クボタでは今年1月にアメリカで実地に当社製ダクタイル鉄管「ZENEX」のデモンストレーション(写真)を行って受注を得たことを契機として、今後世界での採用の拡大に努力する意欲を見せている

環太平洋の互換貿易(TPP)が注目されているが、「環太平洋地域」こそ地震の巣窟のような地帯であるため今後、クボタの耐震性水道管技術はますます注目を集めるとの予感をもって眺めている。

写真:耐震型ダクタイル鉄管のつりさげ実験

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新しい「接着剤」3種

「液体の両面テープ」と命名された「セメダインBBX」は何度も貼ったりはがしたりが出来る接着剤が最近接着剤の老舗セメダインから発売され話題を呼んでいる。(日経産業新聞11/21’12)

売上げのペースが予想の10倍と云う話題作、両面テープが使いにくい凹凸や表面が曲がっているところにも使用でき、しかも何度はがしても粘着力が衰えず使用出来る不思議な代物。

工作用の木片やゴムの仮り組み、ポスターの添付のようにいずれ取り外さなければならないものに便利らしい。

その使用方法は材料の片方に塗って、7~8分待ってから相手にくっつけるが、接着剤は固まらず、それをはがせば最初に塗った面にだけ接着剤が残り貼り合わせた(相手側)きれいなまま。

何回繰り返して貼ったり、はがしたりしても粘着力は失われない便利さがある。(20ミリチューブ入り683円)

またヘンンケルジャパンが9月に新発売した瞬間接着剤「ロックタイト」5種は、水に濡れてもはがれにくい特徴がある接着剤。

この耐水性に特徴のある「ロックタイト」は気温セ氏40度、湿度95%の環境に8日間置いてもその粘着力を保ったと云われる新製品。

屋外、台所のような水をよく使う場所での使用を見込んでいる。ゴム、陶器、木材、プラスティック等に使用可。(同500~60円)

瞬間接着剤国内シェアー9割を誇る東亜合成の「アロンアルファー」の新製品の「EXTRAゼリー状」の場合の特徴は接着に要する時間。

革製品が従来の30秒から5秒に、鉄製品は10秒から1秒に大幅改良がなされた。この製品容器にも工夫がなされ、接着剤チューブを固いプラスチック容器で覆い、立てておけば液漏れなく永く使用出来る。(同500円)

国内の接着剤市場は東日本震災の復興需要で工業用途が上向きである。メーカー各社は海外戦略に加えて家庭向けの潜在需要にまで掘り起こしに努力している。

これらの産業は小粒ながら確実に技術向上が目覚ましい部門である。

接着剤は建築部門でも水道管を始め建築材料の接着のような工業部門でも目覚ましい革新を遂げていることも忘れてはならない。

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恐れずに「TPP]に立ち向かおう!

「補助金頼みは限界」と云う見出しで、各地の市町村が独自のアイディアーを出し合って「地方独立」を成し遂げればTPPに怯える必要がなくなることを日経新聞は書いている。(日経09//23)

「農工商等連結促進法」は事前に計画の認定を受ければ、経産省、農水省の補助金を優先的に利用できる制度(2008年)で、それには試作や市場調査に3000万円までの補助がでる特典が設けられている。

日経新聞によれば、殆どが、残念にも地元産米を使った地酒など話題作りや特産品の開発の域を出ないものが殆どであるとのこと。又、自治体の丸抱え施設の整備を繰り返し補助金をもらって事業をする企業が大半と云う悲しい事実を述べている。

極端な例は、何も行動を起こさないところにも「農協」があり、仕事のないのに職員が勤務している。

「金印」と云う名古屋の企業がオホーツク海に面した北海道の網走市や斜里町の周辺を利用して日本最大の西洋ワサビ(山ワサビ)の産地に育て上げた事例は特筆に値する。

ここでは国産の90%を生産し、40年以上前に契約買い付けを始めた。

現地に工場と研究所を置き、省力型収穫機械を使用して能率的に経営している。

ここの特徴は本ワサビの葉や根茎から抽出した健康成分をもとにした基礎化粧品や、サプリメントなどを次々と商品化して増収を図っている。

筆者の知るところワサビは既に世界各地で栽培されているが、食品以外に化粧品や健康食材に利用されている例は聞かない。

ワサビの他に、山椒も将来世界的に食材の調味料として認知される日が近いのではと考えている。

日本は屈指の冷凍技術を持っている国である。冷凍には今では海産物や牛肉に限らず、玄米、トマト、ジャガイモ、サツマイモ等の農産物、果物、生クリーム迄が冷凍保存できる時代に入っている。

最近のすしブームでワサビなども将来的に有望な作物となる日も近いことだろう。

TTPに反対の国会議員達も、日進月歩で進む我が国の先端技術を研究し、地元の後援会に伝えて、北から南に長く延びる日本列島の気候に適合した製品の創出に智恵を絞りながら、今後世界に輸出できる産業の育成に努力する役目を担ってほしいと考える。

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内憂外患

11月16日の国内主要紙はトップ記事に国内の政治紛争をトップに取り上げる中、産経新聞は中国共産党総会で習近平新総書記の就任の模様を第一面の最初に取り上げていた。

“内憂外患”の表現が正に現在の日本の置かれている状態である。日本政府が去る9月、尖閣諸島国有宣言をしたとき、習氏はそれを軽く「茶番」と片づけ、平然としていた通り、習新体制の方針は近隣日本を威圧して、国内世論を更に煽って外交に利用する手段を強めることは充分に考えられる。

習氏の就任演説では国内の腐敗を排除して「共同富裕の道を行く」と述べ、鄧小平の「先富論」を否定する見解をしめしたことに注目した。

アメリカは既に共産党大会を控えて中国の大問題である官僚汚職を問題視しながらゆさぶりをかけている。

ニューヨーク・タイムズは10月25日中国の温家宝首相一族の資産が、少なくとも27億ドルも蓄積されていることを報道した。温家宝の母や妻、息子、弟、義弟などの資産を企業や当局の報告書を元に集計。27億ドルのうちの80%は、中国共産党の規則では公開対象外と云う。

先刻失脚した薄氏の汚職蓄財の事実が暴露されたが、この件では薄氏の妻が一家の汚職の内情を知っていた英国外交官を殺害までして隠ぺいをはかったことが明らかになり有罪判決が出されている。

今回総書記となった習氏も全く潔白とは言えない事情を抱えている。習氏の親族による巨額な不正蓄財も欧米のメディアにより報じられているとのことである。又習氏の娘もアメリカのハーヴァード大学に留学中とのことで個人的に考えてもアメリカには抗しきれない弱みを抱えている。(11月16日産経)

結局、薄氏だけが党籍をはく奪され終止符を打ったかに見える国内事情であるが、度々外国から指摘され続ける共産党員の汚い蓄財ニュースを事あるごとに否定し、報道の遮断を続けることにもいずれ限界がくる日もそんなに遠くないと思われる。

我々は中国をこちらの尺度で計ってはならない。中国は正に「異様な(異質)な国」であることを悟るべきだと考える。

何故アメリカが新聞報道で共産党大会の開幕直前(10/25)に温首相一族の不法蓄財のニュースを流したのかは当然想像がつく。

アメリカは過去1~2年の間に中国から徐々にではあるが、既成投下資本の中国からの引き揚げを開始している。それには、中国労働者の賃金上昇もあるが、企業の技術盗難や機密保持、国内の雇用の回復等を考慮していることは疑いの余地はない。

今回の共産党大会でこれまでの「長老」達が一線から退き、新体制の長となった習近平が、既に海外のメディアから指摘された前首相温家宝の異常なまでの蓄財ぶりに就いて何らかの処分がなされずに終わったとすれば、今度こそ中国は世界から見放されることになるであろう。

胡錦涛は江沢民に軍部の権力掌握を許していたが、今回の大会では「政」、「軍」とも習氏が掌握することが決まったと聞いているので、今後は対外的に毅然とした「大中国」の力を示す行動に出るのではと危惧せざるを得ない。

来月投票日が公示された日本の衆議院選結果を待って、恐らく中国は緻密な計画のもと、日本との対決姿勢工作にとりかかることであろう。

既に日本は「人質」として中国内に膨大なインフラを構築してしまっている。

日本資本の中国からの撤退が始まれば、それを一番喜ぶのは欧米の企業群と韓国産業である。

当面我が国にとって最も配慮すべきことは如何に新中国と対面し、友好的互恵関係を維持するかである。

今の日本の国内政治の混乱は習近平にとっては格好の「教科書」ではないだろうか?

中国は日本を知り尽くしているが、どの程度の中国の内情知識を日本が持ち合わせているのだろうか?

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女性願望には勝てない中国共産党

女性の美しくなりたいと云う願望はユニヴァーサルで、共産国家といえどもこれを国権で取り締まれない。

資生堂化粧品は中国では“神格化”された商品とも云われている。

尖閣諸島で日中の政治がギクシャクしているが、そんなことには関係なく資生堂は12月、中国で30代以上の女性をターゲットとした化粧品シリーズを発売する計画である。(日経産業新聞11/9)

スーパーで20代向けとして発売するブランドは「Za(ジーエー)」の名を冠するが、新シリーズは百貨店のみで取り扱う一段上の商品で、価格もZaより3割程高価。

女性は一般に一度自分の肌に適していることを自覚すれば、滅多な事がない限り「浮気」しないことが証明されているらしい。

そこで、Zaブランドの他社ブランドへの流出を防ぐ目的で、それは生活にゆとりが出てきた「年増女性」むけに考え出された戦略と受け取れる。

新シリーズの名称は「Zaパーフェクトソリューション」で、その目的とするところ“アンチエージング”、肌の老化やしわを防ぐ養分を加えたスキンケアー商品との謳い文句である。

1997年以来資生堂は中国のみならず台湾、ヴェトナムの工場で製造、スーパーや百貨店で消費者が自由に手にとって選べる普及品として考案したのがZaで、今年9月には低価格志向の高まる日本でも売り出し話題となった。

当社はこのほか高級ブランドを世界各地で販売している「ブランド」会社だが、9月に中国全土で勃発した反日デモでは資生堂店舗も百軒以上に被害が及んだとのこと、しかし、今ではほぼ全店が平常通りの営業を行っている。

資生堂が進出した直後の1980年代の前半は、北京市へ、シャンプーの生産技術供与で、中国の衛生水準向上に貢献をはたしている。

94年発売の「オプレ」は、シドニー、アテネのオリンピックで中国選手団の公式化粧品として選ばれた。

いまでは「国民ブランド」として公認済み、その戦略は「資生堂名」を全面に出さず、中国人が販売する中国製品として“現地化”に徹した、いわば黒子戦術であったと認識する。

資生堂の12年3月期の売上高は891億円(13%)、末川社長は、既に10月以降、売り上げをとり戻していると発言、13年3月期通期では10%の増収を見込んでいるとのこと。

中国では2020年に、現在の3.5倍の3億5000万人の「化粧女性」人口誕生を予測する仮説が間違っていなければ、化粧品製造業の将来は決して暗いものではなさそうである。

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シベリア鉄道の再認識

Shiberia

11月2日の京都新聞の記事は、最近本格的に活動を再開したウラジヴォストークとモスクワ間の世界最長の鉄道路線の将来への展望を述べていた。

シベリア鉄道がソ連崩壊後の混乱を脱却物流の大動脈として威力を発揮するように予測している。

昨年のコンテナ輸送は1990年代以降最大となり、プーチン大統領はウラジヴォストークで9月「アジア欧州間のより短く有益なルート」の活用を訴え、鉄道施設の近代化や通関の簡素化を計る方針を表明、日本など各国企業の活用を奨励している。

中東の不安定な状態や、日中間の最近の不穏な情勢を考慮するとき、我が国としても複線化されたユーラシアの大動脈の活用をもう少し真剣に考慮するべきだと考える。

20世紀の初頭にその産声を上げてより1世紀以上も経つが、このヨーロッパとアジア又はアメリカ大陸にまで、数万キロにも及ぶ大動脈を利用しない手はない。

問題は、各国の抱える政治的な障害と、輸送の安全に関する危険を考慮して二の足を踏むことでこの鉄道の持つポテンシャルが完全に活用されない難点が未だに解決されないままになっている

もしニューヨークからモスクワ迄を一直線の鉄路で結ぶことが可能になれば、東西世界の半分以上の陸上輸送問題が解決されることになる。

鉄道に沿って光ファイバー・ケーブルの架設も可能になり、きっと今まで想像も出来なかった通信手段を利用した情報の交換が出来るようになることだろう。

「中国から欧州へ当社は効果的に物資を輸送出来る」。フィンランドで9月に開かれたシベリア鉄道利用促進の国際会議で欧州の運輸各社がそう訴えた。

利用増の背景には線路が繋がる中国の「世界の工場」化や旧ソ連各国と経済関係を深める韓国企業の積極利用が見込まれる。

コンテナ輸送は毎年増加傾向にあり将来有望だが、多くの日本企業は盗難や破損への不安などから、特にソ連の崩壊後、同鉄道利用を敬遠してきた、また日本からロシア北西部サンクトベルグ港への輸送費は鉄道が1.5から2倍程度、船便より高くつく。

スエズ運河経由の航路で通関を含め45日前後だが、シベリヤ経由では20~25日なので半分強の日程で到着する。従って割高でも速さを考慮すれば利点は多いと国営ロシア鉄道のヤクーニン社長は強調している。

マツダは今年9月、ウラジヴォストークに生産工場を設置。車用専用コンテナ列車で欧州の市場へ自動車輸送を目論んでいる。

19世紀の半ば頃よりアメリカでは、ロシアのシベリア経由で欧州と交易を興す企画が生まれていた。フロンティアーの終焉を迎え、ロシアよりアラスカを買収後、アメリカでは陸路で世界貿易への大事業を夢見た企業家が多く輩出したことがあった。

しかし、日露戦争、ロシア革命、第一次世界大戦と続けざまに発生した事件でこの雄大な夢は露と消えた。

南半球での政治的混迷が一段と進む中、北極海航路に加えて、シベリア鉄道の重要性は今後日ごとに必要度が増すことは疑いを入れない事実と思わざるを得ない。

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尖閣諸島の領有権主張には客観的史実が必要

Samoan_islands アメリカ領、東サモア

「ジキル博士とハイド氏」及び「宝島」の作者として有名なロバート・ルイス・スティーブンソン(Robert Louise Stevenson,1850-1894)がこよなく愛した南太平洋の群島「サモア」は19世紀末、英、独、米の列強の争奪戦に巻き込まれた。

ここは、日付変更線のすぐ東、ウトル島とサバイイ島と云う大きな島といくつかの小さな島からなっている。

これら3国の勢力争いは1899年ドイツが西サモア、アメリカが東サモアを領有することで決着。その間、イギリスは、他国がトンガなどの保護領に干渉しないと云う条件に基づいて領有権を放棄した。

第一次世界大戦でドイツが敗退して後、西サモアはニュージーランドの保護統治に委ねられることに決まった。

良港パゴパゴ(Pago Pago)を有する東サモアは、それ以後アメリカ海軍基地としてアメリカ領に組み込まれている。

ドイツ領からニュージーランドの委任統治になった西サモアは、島民の独立運動の後、1962年1月1日独立が認められ、国名を西サモアからサモア独立国に変更された。(何故、東サモアで独立運動が発生しなかったのかは不明)

第一次世界大戦後、日本がドイツから割譲を受けたミクロネシア、マーシャル群島はアメリカの信託統治領となり戦後度々核実験場として使用されたことは周知の事実である。

アメリカが東サモアをイギリス、ドイツとの話し合いの後アメリカ領に組み入れ今日に至っている。

今東シナ海で、日本と中国間で紛争の的となっている尖閣諸島について、日本政府は1895年以前に“各国”の了解を得て日本領土に組み入れたと公式声明を発しているが、これが事実とすれば、アメリカ領、東サモアの取得と同じケースではないかと思われる。

アメリカはハワイ諸島を領有するまでに、1859年、アメリカ軍艦(ミドルブルック船長)がミッドウエイ諸島を発見、アメリカの領土とする宣言を行い平和裏に国土に組み入れている。

尖閣諸島についても確実な史実にてらして我が政府が論理的に、この地域について説得力ある説明をなすことで正義を貫くことが何よりも大切であると考える。

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産業防衛の必要性

高性能鋼板の製造技術を不正取得されたとして「中央日報」は、日本の新日鉄住金(旧新日本製鉄)が4月、韓国企業のポスコを相手取り起こした損害賠償請求訴訟が始まったと報じている。

 
11月25日の韓国メディアによると、東京地裁でこの日、新日鉄住金がポスコを相手に起こした986億円の損害賠償請求訴訟の初公判が開かれた。この日の裁判は双方の基本的な主張を確認し、次の裁判の期日(12月21日)を決めただけで、5分で終わった。 

 
ポスコ側の弁護士は「全面的に争う考え」と述べ、新日鉄住金の技術盗用主張は認められないという立場を強調した。 

 
新日鉄住金は、ポスコが変圧器などに使用する方向性電磁鋼板の製造技術を不正に取得したとして、4月に訴訟を起こした。

毎日新聞の12月2日に依ると、ポスコはこの裁判で技術の盗用を否定、全面的に争う姿勢を示しているが、韓国内ではポスコは当該技術を既に中国の鉄鋼メーカーに流出させたとして、ポスコの元社員が有罪判決を受け、その裁判で元社員は「技術は新日鉄のもの」と供述したことが判明している。

新日鉄とポスコは既に戦略提携関係にあり、株式の相互持ち合いも行っている仲だが、その上で新日鉄がポスコを提訴した裏には何か特殊な事情ありと思わせる。

産業の営業秘密を不正に持ち出す場合は処罰できても、社員が在職中に蓄積した知識や経験を転職後に使うことには制御が難しい。その境目は微妙であり、実効性に疑問が残る。

経産省の統計では国内一万社で過去5年に8社に1社に営業秘密漏えいがあり、その半数は中途退職者が起こした事件らしい。

「退職後の守秘義務」の管理が如何に困難かが想像される。

韓国などの企業は、リストラされた日本の技術者を吸収して競争力を高めた面があり、政府が法整備などの施策を厳しく確立させなければ国外への特殊技術の流出は、今後増加が懸念される。

企業の海外転出によってますます深刻化することは云うを待たない。

アメリカは既に中国等から高技術産業のリショアリング(呼び戻し)を開始して国内雇用の改善に努めている。

「技術」の自衛は「国土防衛」と同様ますます重要性を増すと思われる。

既に我が国から「居」を中国に移した一万を越すとされる技術力のある企業が、再び戻れる施策を国が講じなければ、やがて日本は“空き家”同然となり、中国に吸収されてしまう恐れを覚える。

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