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産業防衛の必要性

高性能鋼板の製造技術を不正取得されたとして「中央日報」は、日本の新日鉄住金(旧新日本製鉄)が4月、韓国企業のポスコを相手取り起こした損害賠償請求訴訟が始まったと報じている。

 
11月25日の韓国メディアによると、東京地裁でこの日、新日鉄住金がポスコを相手に起こした986億円の損害賠償請求訴訟の初公判が開かれた。この日の裁判は双方の基本的な主張を確認し、次の裁判の期日(12月21日)を決めただけで、5分で終わった。 

 
ポスコ側の弁護士は「全面的に争う考え」と述べ、新日鉄住金の技術盗用主張は認められないという立場を強調した。 

 
新日鉄住金は、ポスコが変圧器などに使用する方向性電磁鋼板の製造技術を不正に取得したとして、4月に訴訟を起こした。

毎日新聞の12月2日に依ると、ポスコはこの裁判で技術の盗用を否定、全面的に争う姿勢を示しているが、韓国内ではポスコは当該技術を既に中国の鉄鋼メーカーに流出させたとして、ポスコの元社員が有罪判決を受け、その裁判で元社員は「技術は新日鉄のもの」と供述したことが判明している。

新日鉄とポスコは既に戦略提携関係にあり、株式の相互持ち合いも行っている仲だが、その上で新日鉄がポスコを提訴した裏には何か特殊な事情ありと思わせる。

産業の営業秘密を不正に持ち出す場合は処罰できても、社員が在職中に蓄積した知識や経験を転職後に使うことには制御が難しい。その境目は微妙であり、実効性に疑問が残る。

経産省の統計では国内一万社で過去5年に8社に1社に営業秘密漏えいがあり、その半数は中途退職者が起こした事件らしい。

「退職後の守秘義務」の管理が如何に困難かが想像される。

韓国などの企業は、リストラされた日本の技術者を吸収して競争力を高めた面があり、政府が法整備などの施策を厳しく確立させなければ国外への特殊技術の流出は、今後増加が懸念される。

企業の海外転出によってますます深刻化することは云うを待たない。

アメリカは既に中国等から高技術産業のリショアリング(呼び戻し)を開始して国内雇用の改善に努めている。

「技術」の自衛は「国土防衛」と同様ますます重要性を増すと思われる。

既に我が国から「居」を中国に移した一万を越すとされる技術力のある企業が、再び戻れる施策を国が講じなければ、やがて日本は“空き家”同然となり、中国に吸収されてしまう恐れを覚える。

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