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シベリア鉄道の再認識

Shiberia

11月2日の京都新聞の記事は、最近本格的に活動を再開したウラジヴォストークとモスクワ間の世界最長の鉄道路線の将来への展望を述べていた。

シベリア鉄道がソ連崩壊後の混乱を脱却物流の大動脈として威力を発揮するように予測している。

昨年のコンテナ輸送は1990年代以降最大となり、プーチン大統領はウラジヴォストークで9月「アジア欧州間のより短く有益なルート」の活用を訴え、鉄道施設の近代化や通関の簡素化を計る方針を表明、日本など各国企業の活用を奨励している。

中東の不安定な状態や、日中間の最近の不穏な情勢を考慮するとき、我が国としても複線化されたユーラシアの大動脈の活用をもう少し真剣に考慮するべきだと考える。

20世紀の初頭にその産声を上げてより1世紀以上も経つが、このヨーロッパとアジア又はアメリカ大陸にまで、数万キロにも及ぶ大動脈を利用しない手はない。

問題は、各国の抱える政治的な障害と、輸送の安全に関する危険を考慮して二の足を踏むことでこの鉄道の持つポテンシャルが完全に活用されない難点が未だに解決されないままになっている

もしニューヨークからモスクワ迄を一直線の鉄路で結ぶことが可能になれば、東西世界の半分以上の陸上輸送問題が解決されることになる。

鉄道に沿って光ファイバー・ケーブルの架設も可能になり、きっと今まで想像も出来なかった通信手段を利用した情報の交換が出来るようになることだろう。

「中国から欧州へ当社は効果的に物資を輸送出来る」。フィンランドで9月に開かれたシベリア鉄道利用促進の国際会議で欧州の運輸各社がそう訴えた。

利用増の背景には線路が繋がる中国の「世界の工場」化や旧ソ連各国と経済関係を深める韓国企業の積極利用が見込まれる。

コンテナ輸送は毎年増加傾向にあり将来有望だが、多くの日本企業は盗難や破損への不安などから、特にソ連の崩壊後、同鉄道利用を敬遠してきた、また日本からロシア北西部サンクトベルグ港への輸送費は鉄道が1.5から2倍程度、船便より高くつく。

スエズ運河経由の航路で通関を含め45日前後だが、シベリヤ経由では20~25日なので半分強の日程で到着する。従って割高でも速さを考慮すれば利点は多いと国営ロシア鉄道のヤクーニン社長は強調している。

マツダは今年9月、ウラジヴォストークに生産工場を設置。車用専用コンテナ列車で欧州の市場へ自動車輸送を目論んでいる。

19世紀の半ば頃よりアメリカでは、ロシアのシベリア経由で欧州と交易を興す企画が生まれていた。フロンティアーの終焉を迎え、ロシアよりアラスカを買収後、アメリカでは陸路で世界貿易への大事業を夢見た企業家が多く輩出したことがあった。

しかし、日露戦争、ロシア革命、第一次世界大戦と続けざまに発生した事件でこの雄大な夢は露と消えた。

南半球での政治的混迷が一段と進む中、北極海航路に加えて、シベリア鉄道の重要性は今後日ごとに必要度が増すことは疑いを入れない事実と思わざるを得ない。

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