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楊海英「中国異質論」

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内モンゴル自治区出身で日本に帰化した楊海英氏文化人類学者、(日本名、大野旭、48歳)が今朝(12/9)毎日新聞「発言」欄で“中華民族”の定義について述べていたことを紹介したい。

楊氏によると、“日本では言及されることは少ないが「中華民族」と云う民族は存在しない。なるほど中国は漢族と55の少数民族からなる「中華民族」が古代から分割不能な国民であるとの公式見解をとっている。しかしこれは、多民族国家のアメリカ国民を「アメリカ族」と定義するようなもので、中国に少数民族問題は存在しないと云う立場からの虚構、幻想に過ぎない。”と云いきっていることに注目した。

昨年100周年を迎えた「辛亥革命」の首謀者、孫文は「駆除韃慮、回復中華」をスローガンにして満州族である清朝を倒して、周辺の韃靼人らも排除して、漢族中心の「中華」を打ち立てるナショナリズムで立ち上がろうと試みた。

孫文の思想を継承した蒋介石の顧問であったアメリカ人オーエン・ラティモアは、その当時、「シナは西欧諸国の殖民地だが、少数民族には殖民地政策をとっている第二の帝国主義だ」と辛らつに批判したと云う。

当時の孫文の心中には1840年(アヘン戦争)以前の大国復活の夢があったと思われる。

楊海英氏は、彼等は“一方で「中華」と云いながらモンゴル帝国の版図も含め、冊封体制を根拠に「琉球回収」を主張し、軍部は「利益国境」の概念を打ち出している。”又は“モンゴルの草原(外蒙古?)を失っても釣魚島(尖閣諸島)を守ろうと唱え、何千万人が死んでも、これを死守すると発言したことでモンゴル人の怒りを買っている。”と憤慨している。

楊海英氏が言う、1950年代の中国大躍進政策では4000万人の雅死者を出し、文化大革命の時には5万人のモンゴル族の虐殺があったとは、我々には初耳だが、それでは日本人が行ったと云われる「南京虐殺」なんか比較にもならないような凄惨なことが戦後中国近辺で発生していたことになる。

楊氏は、“中国異質論”は敢えて唱えないが、日本と同質の国と考えることは出来ない。

「日中国交正常化40周年にあたり、日本人として中国と云う国を冷静に見つめ直すべき。“と自省の意味を込めて述べている。

※楊海英:静岡大人文社会科学部教授

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