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欧米帝国主義国家の尖兵「イスラエル」は不敵

Photo パレスティナ・アッパス議長

1129日の各紙の報道するところでは、国連総会はパレスティナを今後「オブザーバー国家」に格上げすることを採択した。

パレスティナは過去に独立の承認を目指したが失敗したことから、今回は戦略を変えて現在の「オブザーバー機構」から一段上の「オブザーバー国家」の資格を目指していた。

この決議案の文言起草には、親パレスティナのノルウェー、スペイン、デンマーク、アイスランド、フランス、スイスなどが協力したと言われる。

その一方、アメリカ、イギリスは決議案に反対、その理由として、パレスティナとイスラエルの和平交渉再開のみが真の解決になると主張、和平の道は双方の努力でのみ達成されるもので、国連にはその責任がないとのクリントン米国務長官があった。ドイツは棄権を表明、決着、パレスティナを「非加盟オブザーバー組織」から「非加盟オブザーバー国家」になり、ヴァチカンと同じ資格を得たことで決着した。

イスラエル政府報道官はそれでも、この決議案について「政治敵な脅し」と避難している。

中東問題専門家、平山健太郎氏著「エレサレムは誰のものか?」(NHK出版)では、“書き換えられた建国宣言”に言及、「19471129日、国連総会は、パレスティナにユダヤ人の国とアラブ人の国をそれぞれ一つずつ作る決議を採択し、住民たちにこれら二つの国家創設するための準備を行うよう勧告した。

この決議の有効性は最終的なものであり、我々はこれに従い建国を宣言する」と云う当時のバングリオン首長の言葉を紹介している。

問題の地域は我が国の関東地方より小さい場所で、1947年当時の人口はアラブ人が120万、ユダヤ人はその半分程度であった。

想像にたがわず、その次の日から、アラブ、ユダヤの双方で、それぞれの領有地区の決定で紛争が起こった結果、米ソ両超大国が国連決議に従って区画を作成したが、結果、パレスティナをモザイく模様のように六分画して、それぞれに3地区ずつとした。(ユダヤ55%、アラブ45%)。

しかも地中海岸では、シャファなどアラブ人の多い市街地が「ユダヤ国家」予定地の中に「アラブ領」の飛び地として残る、地図を一瞥するだけで実現の困難さが想像できるようなせんびきであったがユダヤ人側はこの分割決議を受け入れた。これに反してアラブ側はこの協定案をパレスティナ住民の「自決権」を無視している理由で拒絶、公平な投票を行えば人口の多いアラブ側が結果的に少数のユダヤ人口を抱える「アラブ国家」が誕生することになると云い張った。

当初からこの区画に就いては問題が多く、人口の少ないユダヤ人に何故半分以上の領地を振り分けたかを巡ってアラブ側から不平が述べられた。

現実、「イスラエル国家樹立宣言」当日から紛糾が起こり、エジプト、シリア、ヨルダン、レバノン、イラク、サウジアラビア、イエメンの七カ国は一斉にパレスティナに出兵、第一次中東戦争が起こっている。

それ以後、65年、この周辺でどんなことが発生して、世界に如何なる物議を醸し、平和を損ねるどころか、数えきれない程の人命が失われたことは今更語る必要もなかろう。

19世紀のシオニズム提唱者ヘルツルの思想の根幹について、インド外交官ジャンセン著「イスラエルシオニズム」(奈良本英佑訳、第三書館、1982年刊)には、その頃のシオニストの考え方は「ヨーロッパと北アメリカは文明を代表し、残りの世界は野蛮を代表する。従って、ヨーロッパは、この外部の暗黒の世界を植民地となして、これを文明化する使命をもつ・・・・、シオニストのユダヤ人は根っからのヨーロッパ人で、アジアや中東人ではない、彼等(シオニスト)は、イスラム世界、特にアラブ世界に対するヨーロッパ帝国主義の尖兵で、彼らと友好を保てば我らの存在は認められる」

キリスト教の誕生以来、2000年もの間苦難を耐え忍んだユダヤ人の心意気のたくましさには驚嘆するが、2世紀にも亘ってアラブ人を騙し続け 、西欧国家の尖兵としてユダヤ人を意図的にエレサレムに送り込み世界的紛争の領地を造り出した罪は許されるものではない。

さて「パレスティナ」と云う言葉はイスラエル人によると、ユダヤ王国を滅ぼしたローマ帝国のハドリアヌス帝がこの地域につけた名称で、この命名の目的は「ユダヤ人独立国家」の痕跡を抹殺することにあったと云う。(前出平山健太郎、“エルサレムは誰のものか?”p.58

従って、ユダヤ人からすれば「パレスティナ」の名を聞けばなおさら敵愾心が掻き立てられ、「エレッソ・イスレル」(イスラエルの土地)と云う言葉に置きかえられてユダヤ民族主義運動となり聖地エレサレム奪回の機運が高まった。

第二次世界大戦終局に於いて、アメリカ、イギリス、ソ連の3代表がこぞったヤルタ会談でも必ずや戦後のユダヤ人処遇問題が議題となり、終戦直後のイスラエル建国が現実化されたことは殆ど疑いの余地のない事実である。

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