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中国のアキレス筋となるか?「法輪功」

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北京共同発として、中国共産党規律検査委員会は9日、記者会見で、昨年中に規律違反や違法行為で処分を受けた党員や政府官僚の合計が16万718人にのぼったことを明らかにしたとあった。

2011年では処分者の総数は14万人余りで、犯罪者が増加傾向にあることを認めている。

中国誌、「検察日報」は、8日付けで、官僚のイメージ低下に関する報告をまとめた研究者の話を報道、処分を受けた腐敗官僚の95%に愛人がいることを伝えたが、その総人数は不明。

主席が習近平になって急に政府の姿勢が変わったと云うわけではないだろうが、規律委員会と監察省の記者会見は例年の行事、しかし、中国中央テレビがこのような会見の模様を生中継することは初めてのことらしい。

昨年、収賄や規律違反を理由として、元重慶市のトップの薄博来氏や、劉志軍前鉄道相の党籍はく奪を行い、規律の正常化に努力している様子をしめしていることが判る。

台湾の医師、林建良氏が著した「中国ガン」と云う本を通読して判ったのだが、今、中国共産党が最も警戒しているのは「法輪功」と名乗る1992年5月に李洪志氏が長春で始めた「気功術を教える講座」の団体のこと。

これは最初、一般に公開されなかったが、一般公開するや、たちまちにして全国にその学習者が広がって行ったと言われる。

始め政府はその運動を容認していたが、あるとき政府の上層部が一転してこれを問題視しはじめたと云われている。

気功術だから、普通なら大極拳のような運動くらいにしか思っていなかったが、法輪功の学習者があまりにも急激に増え始めたことに対して、一種の恐怖感を覚え、1998年頃から、公安部が急に同団体の調査にのりだし、最後には「活動禁止措置」を発令するに至った。

そのことに対抗して、1999年になり、天津のメンバーが当局に陳情を始めたことが「暴動」と看做されて逮捕に至る事件が起きた。

それを知った仲間が達が、すぐさま、2万人を集めて、今度は北京の中南海にある陳情窓口を取り囲んだ。

この2万人は何もせず、ただ立っているだけであったが、これだけの人数が政府の中枢機関を取り囲んだことに大きな衝撃を受けたのではと云われている。

その時、法輪功のメンバーが既に1億人に達していた事実を政府が感知していて、即刻、政府は「6・10弁公室」なる法輪功取締局を立ちあげ、これの取締には超法規で無限大の権限を与えたとのこと。

これは、我が国でいえば、「オウム教壇取締り」に似たもので、法輪功のメンバーなれば誰であろうと自由に検査できるし、弾圧も拷問もできることにしてしまった。

中国ではどんな団体でも1億以上の人間を動かせる「集団」は何はともあれ危険分子と断定することが判った次第。

法輪功の強いところは、メンバー自体が集団を宗教団体と自覚していないで、あくまで気功の修業集団としか思っていないところが政府をして、その実態を把握できにくくしているとしか思えない。

しかし法輪功のムーブメントは宗教団体のそれとしか見えないと林建良氏は認めている。

林氏は医者の目で中国を人間の体に例え、中国が抱えている問題、例えば格差や公害、水、汚職等を指摘しているが、その中で、今のところ何とも処理しにくいのが法輪功問題だと分析している。

中国の長い歴史を振り返ると、一番のガンはやはり農民(下層住民)と宗教、それと隣接する韃靼人種であった。中でも宗教団体は弾圧されればされるほど、民衆に広がって抑えきれなくなる。清朝末期の太平天国の乱もその卑近な例であった。

法輪功は一つの団体には違いないが、たこのように骨と見られる部分のない、いわば、掴まえ所のない集団であるから国は扱いに困っているのが本音らしい。

林氏は法輪功のメンバーは、国内では3000万人、海外に7000万人、合計して1億人で、「大紀元報」と称する報道部をニューヨークに持ち、それを本部として、その他、海外30カ国にグループ組織をもっていると云われる。

それらの支部で、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、韓国語、日本語等に翻訳して発行している。その他、インターネットで「大紀元」サイト、「明慧」サイト、「法輪功」サイトなど20~30程の広報機関を備えている。

林氏によると、2001年に始まった法輪功の中国情報は正に独自のもので、政府が否定している、いないに関わらず、中国の歴史感や政治について共産党の見解お構いなしの論調を展開してはばからないものらしい。

林氏は法輪功の目指すところは中国共産党打倒で、的を絞って、共産党員の脱退呼びかけ運動に終始していると云う。

法輪功は共産党政府の醜い処を9カ条として挙げて、それを「九評」と称して世論に訴えている。その知識レベルは高度で、海外の政治家とのパイプを持ち、多くの法輪功のメンバーは海外に住んで、滞在先の国に帰化している人も少なからず存在する。

ゴルバチョフの“ペレステロイカ”でのベルリンの壁の崩壊、天安門事件の発生に刺激されてか、自然発生的に生まれた法輪功の徹底的に弾圧が中国国内にその後、始まり、メンバーの逮捕、抑留、拷問、殺戮が始まったと云われている。

筆者は未だその真相や、現在進行中の政治的プロセシングを知るものではないが、林建良氏の「中国ガン」-台湾人医師の処方箋―を一読して、「法輪功」とは何かを、その、さわりの部分だけ紹介した次第である。(発行所:並木書房)

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