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「毛沢東」思想」を否定した中国の将来

Photo_2 習近平主席

昨晩(1/29)NHK.BS1が22:00から放映した番組「毛沢東をめぐる大激論、格差への怒り爆発!二極化する中国」は自分の目を疑いたくなる程のリアルな番組であった。

主人公たちは勿論、地方の恵まれない環境に生活する老人連が、このままでは毛沢東時代のほうがはるかに平等であったし、生活も楽で、将来に不安がなかったと、声を荒げてわめきたてる場面が多く見られ、検閲なしに、どうしてこんな場面を取材できたのか疑いたくなる程であった。

1976年1月、周恩来が他界、同年の9月、毛沢東が死去し、華国鋒が政権を継承した。

華国鋒は時を待たずにその翌月、江青夫人ら、所謂「四人組」を逮捕して反逆罪で告訴、終局、江青を自殺に追いやった。

これは正に毛沢東の「文化大革命」を否定、首謀者達を裁判にかけたことで、その後の政治を正道に近づけようと試みたと筆者は解釈している。

胡錦涛前主席は昨年の11月8日に始まった中国共産党大会で、中国の建国の父の理念「毛沢東思想」を党の基約から外すと主張して、毛沢東思想を掲げて政府批判を進めていながら、重慶事件で失脚した薄熙来を抹殺、むしろ鄧小平のドクトリンを踏襲する経済政策を進めたが為に、貧富の格差がますます広がったことに住民が気勢をあげている様子を生々しく放映したのが昨夜のテレビ番組であった。

中国共産党の規約では、その理念として、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論などが羅列されているらしいが、1978年以降、政策が経済発展重視に傾き、農民や労働者による革命を重視する毛沢東思想がこれで実質否定されたことが明らかになった。

最近の傾向では、鄧小平理論が重視されたがため、貧富の差がますます広がるに及んで、下層の民衆が特権階級への不満を持つに至り、低所得層の間で昨晩のテレビで見られたようなシーンが、特に地方都市の住民間で展開されていると判断される。

薄熙来氏のスローガン「共同富裕」が庶民に受け、毛沢東崇拝が再度、起こりかけていることに中央政府(共産党)が恐怖を感じ始めているのが昨今の中国事情である。

昨晩の番組で、ある老人が、“彼らが毛沢東思想を否定するのなら、なぜ北京の天安門に上がっている毛主席の肖像画を下ろさないのか?”と叫んでいたことが特に印象的であった。

この辺に現在の中国政府のダブル・スタンダード政策が顕著に見られ、北京市のスモッグと併せて、これは隠しようのないスキャンダラスな、政治的矛盾と見える。

(北京オリンピックの開催中は、近辺の工場の操業と止めさせて、スモッグを見えない状態にしたが、今ではもと通りの危機的生活環境が隠し得ない状態に戻ってしまっている。)

尖閣諸島の問題に国民の視線を集めて、事態を抑え込もうと努力している中国共産党であるが、水不足、環境汚染、貧富の差問題等を是正せずに今後、国政を平穏に保てるかはかなり難しくなってきていることは確実である。

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