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或る憲法改正手続き論

2013年3月24日毎日新聞「発言」欄に、同志社学院教授コリン・ジョーンズColin Jones)氏が憲法改正について面白い意見を述べているので紹介したい。

1946年に新日本国憲法が作成されたが、それは勝者である連合国軍総司令部(GHQ)の意向を100%汲んで作成されたし、勿論、草稿原文は英語であった筈である。

これを日本の政府が日本文に仕上げるにあたって言葉遣いや言語を巡る一種の

イタチごっこが繰り広げられ、結局占領軍が納得した「英文日本憲法」を下敷に「翻訳日本憲法」が完成したものであるとの意見には納得させられる。

ジョーンズ氏“ここには日本語を読めない多くの外国人には理解しにくい個所が見られる”、例えば、度々登場する「国民」は「その国の国籍を有する者」と云う定義になるが、英文では国籍のニューアンスが全く存在しない、{the people,人民}を使っている。英語だけに頼ると、憲法が保障する基本的人権が及ぶ範囲に誤解が生まれる。

実は在日外国人の人権と国民の人権との間を考えても「国民」と「外国人」の違いについての解釈にもその国際的見識の違いがそのまままかり通っているし、国際化が日々進む中で在日外国人の政治活動の自由、福祉制度の受益権の有無では日本流にうまくすり替わって解釈されてしまっている部分もあることを指摘している。

第9条2項でも「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」のくだりの英語版には”NEVER”とあるが、外国人であるジョーンズ氏にすれば、自衛隊と云う軍隊の存在が余計に不思議に思えてならないらしい。

法律家のジョーンズ氏は英語版、日本語版にはかなりのギャップが見られるが、今となっては英語版には法的拘束力はないとしても、安倍首相が「敗者」の憲法からの脱却を目的の一つとするならば、先ず現行憲法の英語版を日本語版のただの訳文とするのが第一歩ではないか。確な英語版があれば、憲法の本改正があったとき、諸外国に今より変更内容の説明がしやすくなるのではと提案している。

現存「英文憲法」は占領時の英文官報として交付されたもので、、改訂には憲法改正手続きも、通常の立法手続きも必要がなかったもの。

それであっても何らかの手続きを踏んで改訂すれば、本改正の予行演習になり、たとえ英語版を変えるだけで何らかの抵抗がおきれば、改正の行方の羅針盤になると如何にも法律家らしい手続き論ともいえる意見を述べている。

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