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来るべき「日露会談」に望むこと

安倍Xオバマ首脳会談が行われた去る、222日の一日前の21日、ロシア国営ガス企業「ガスプロム」はウラジオストックでのLNG基地の建設計画を伊藤忠商事や石油資源開発機構と共同で2018年から年間1000万トン超の天然ガスの生産協定を結ぶと云うプロポーザルをしたと225日付日経産業新聞が報じている。

これは2年前の大震災で将来の原子力発電所の可動が不透明となりつつある日本のエネルギー事情を見越してのロシアの思惑が透けて見える行動と思えるが、そのタイミングが日米首脳会談の開催予定の前日であったことに意味がある。

ロシアのプーチン大統領は昨年12月「21世紀の発展のベクトルは東にある」と言明、これまでのガスの輸出の収入源、欧州諸国の景気低迷で、将来ガス需要が落ち込むと予想、その代替輸出先として日本に目標を定めたのではと思われる。

アメリカ政府はLNGの輸出先を原則として自由貿易協定(FTA)   の締結国に限るとの声明を出している。

しかし、最近の情勢では、アメリカの「シェールガス革命」以後(2008年)、米国は、英BP統計によれば、天然ガス生産量一位の座がロシアからアメリカに移ったことを認めている。

この辺に安倍政権が一挙に「TPP」参加に踏み切る決断をした理由があり、今から略2か月前の222日の日米首脳会談の場で安倍首相の口から米国産天然ガスの対日輸出実現の要請があった。

これで近い将来に予定されているロシアとの首脳会談で日本が有利なポジションで話を進められる材料が出来たのではと考える。

今や日本は世界の二大エネルギー生産国を相手として余剰気味となっている資源を有利な立場で商談に臨める土壌が出来つつある予感がしだした。

アメリカ・テキサス州で液化加工までを手掛け調達することを決めた中部電力首脳は「米国価格連動のガスを輸入し、価格体系の多様化を進めると表明している。

今後は東南アジアや中東から購入するLNGは割高になり、将来は危険の少ないアメリカ産と、距離的に輸入に有利なロシアの天然ガスを視野に入れてエネルギー交渉に臨めるチャンスが到来した。

アメリカ国内のガスは明らかに余剰気味となっていて今では、主要価格「ヘンリーハブ」は100万BTU(英国熱量単位)当り3ドル代半ばだそうで、これは日本の12年中の(1月から10月)の平均輸入価格の約5分の1とのこと。

既に昨年から日本企業は相次ぎ米国エネルギー事業への参画を表明、今のところ三つのの日本企業の合計調達量は年1470万トン(総輸入量の17%)が予想される段階。

アメリカは既にLNG輸出は米国にとって有益との報告書を公表、これに対して関係日本企業は既に暗黙の了承を得ている。

ロシアの「ガスプロム」の昨年の欧州向け輸出は前年比7%減、これで米ロの余剰ガスが日本に向かえば、今後のLNG価格はさらに大幅に下落することも考えられる。

筆者の予感では、近く予定されている日露交渉の場で。プーチン大統領は日本に歯舞、色丹の小さい2島の返還を条件に貿易交渉に臨んでくるのではと思っているが、そんなロシアの甘い話に簡単に応じる程安倍信三氏は甘くはないと思っている。

ロシアの必要としている「日本の技術」の価値は歯舞、色丹両島にも勝るとも劣らないもので、それに加えて買手市場になりつつある「エネルギー」を会議の俎上に載せながら交渉を我が国有利に展開して欲しいと願っている。

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