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中国の行方?

Moutakutou 写真:習近平と毛沢東

521日 毎日新聞「胡耀邦氏旧宅を国宝指定」中国で今、胡耀邦の再評価の動きが進んでいることを知らせている。

胡耀邦とは、国民生活に対する党の支配を縮小させようと意図して、毛沢東の「秦の始皇帝」の政治を批判することを進めたとして党幹部からの顰蹙を買い、追放された人物。

しかし、元共産党総書記、胡耀邦は率先して文革中に殺された人達、投獄された人達の名誉回復を行った。さらに、1957年以来、右派分子の烙印を押され、賎民の扱いを受けていた人たち、その家族ら一千万人を解放した。

その頃、悲惨な運命にあった旧地主、旧富農と子息らの「地主、富農」の烙印も取り消した。

胡耀邦に続いて常総書記になった趙紫陽は市民に発言権を与えようとして、党長老から激しく反発され、これまた追放された。

これは不思議なことだが、その後、権力者となった江沢民、さらにその後継者、胡錦濤共に、毛沢東を賛美こそすれ、非難は全く行わなかった。

「新京報」は14日、胡錦濤前国家主席や習近平主席の父・習仲勲元副首相とともに撮影された胡耀邦の写真を掲載、胡氏の旧居を、国宝級に相当する全国重点文物保護単位に指定したと報じている。(写真)

これは何を意味するか?その推測は複雑だが、毛沢東を今更、表立って持ち上げることを憚りながら、習近平としては江沢民の意を汲んで、去る15日、上海市共産党委員会機関紙「解放日報」が述べる”胡耀邦が当時全力で改革・解放と現代化建設に全力を傾注した業績”を讃えるための行事と考えて間違いないと考える。

ここでも、習近平も正面向かって毛沢東を批判できない立場であることが判る。

毛沢東はまさに中国にとって消し去ることの出来ない「亡霊」となってしまった。

日本で云えば、国会議事堂のような存在「天安門」の正面に揚がっている毛沢東の肖像、国民が毎日利用している「元紙幣」に刷られている毛沢東だが、現実、国民の誰もが見たくもない「国のシンボル」は避けて通れない事実である。

毛沢東が推進した人民公社と文化大革命によって、どれほどの損失や犠牲がでたかは、ほとんどの国民の知るところである。

死者だけで最低5000万の人命が失われ、彼が集団化運動の過程で取り上げた農地ものが未だに国民の手に戻されないで、党幹部の意のままにされていることも国民は知っている。

このような毛沢東を今更賛美し続けることは得策でないと考えて、習近平が次のシンボル候補にあげようとしているのが胡耀邦なのかもしれない。

1989年、胡耀邦の死去を悼んで行われた追悼式が皮肉にも天安門事件に進展して世界にそのニュースが広がった。

それから24年が経過して、習近平政権は胡耀邦の功績をたたえて、胡氏の旧宅を国宝に指定したのである。

胡耀邦と毛沢東はお互いに相いれない人物なのだが、今年は毛沢東生誕120周年にあたり、習政権は毛沢東を持ちあげる盛大なイヴェントを計画中で、その日まで(12月26日)毛沢東の批判者として知られている改革派の経済学者芧孑軾(84)に関する記事を一切取り扱わないように通達したと報じられている。

一体全体この国はどっちの方向に向いているのかサッパリ判らないで理解に苦しむ。

毛沢東の死後、「文化大革命」は批判の対象となり、毛の第三夫人、江青以下数名のシンパが粛清された。

その後、改革開放政策が叫ばれて、この国が外に向かって発展に向かう兆しを見せたが、やはり、未だに毛沢東の呪縛から解放されていないことが明白になった。

今日、中国の経済は下降に向かいつつある。それに加えて、全国に広がりを見せつつある「鳥インフルエンザ」、多くの遺跡を犠牲にしてまで強硬に進めた「長江ダム」による各地の被害、そのためか、各地に頻発する地震等々、どれ一つとっても近代国家として自慢できるようなものは皆無。

Quo Vadis China!(中国よどちらえ行く!)と叫びたい。

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