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日米両国の大株主を狙う中国ファンド

「SAFE」とは何の頭文字からきたものかは知らないが、中国が保有する外貨を運用する機関のこと。

世界最大の金融センター、ニューヨーク・ウオール街の一角に最近、中国の国家外貨管理局[SAFE]がオフィスを構え、ヘッジ・ファンド関係者や弁護士らが頻繁に出入りしている。

これの運用資産の額は、ノールウエー政府年金基金、アラブ首長国連邦(アブダビ投資庁)に次いで、世界3番目とも云われるが、「SAFE」に関して云えば、前者のものと性格を全く異にしている。

米中経済安保委員会(米議会政策諮問機関)の意見では、“その投資は金融や市場経済の原理に従わず、中国の国家戦略を優先するもの”として要警戒としている。

当機関は、1997年に設立され、推計運用資産は57兆円(5700億ドル)と云う膨大なものである。

これに依って、為替介入や、貿易黒字で蓄積した中国の外貨を原資にもっぱらアメリカ国債を中心に運用されている。

アメリカ証券市場関係者にとっては中国政府資金の株式市場参入には賛否両論があるが、このような膨大な資金が市場に入ることによる手数料収入を考慮すれば、反対ばかりでは済まされない。

中国の国家ファンドとも云うべき「SAFE」は既に日本国内に入り込んでいることが確認されている。

トヨタ自動車、パナソニック、武田薬品工業」等我が国を代表する有名企業の上位株主のなかに中国ファンドの名が見えることは事実。

この傾向が顕著になったのは、リーマンショックで欧米の運用会社の動きが鈍化し出した2008年頃から中国の日本買いが始まったとされている。

ちばぎん証券(千葉市)の調査では、平成21年3月末時点で、このファンド(OD05)が一部上場会社、上位株主の10位中であった企業数は10数社に留まっていたが、3年後、平成24年の9月では173社を数えるに至り、その保有額は3兆406億円とのこと。

報道によると、東京一部上場の略10社に1社が中国系ファンドを大株主として迎えている形で、日立、NEC,三井物産、三菱UFJファイナンシャル・グループでは、それぞれ平均で3位の大株主として名を連ねるまでになっている。

現在のところ、大凡5%未満に留まっているとされているが、「OD05」の投資が日本企業への関与を目的でないとしても、中国共産党指導部の“鶴の一声”で「チャイナ・マネー」と云う実弾で、場合によっては他国の経済を左右させ得る威力を秘めていることに誰も「否」を唱えることはできない。

事情によっては何時豹変するか予想もつかない中国ファンドの動向に、日米両国の国債金融専門家達も異口同音に警戒を叫ぶ。

国家をあげての「株式投機」などは中国をおいてどの国にも出来得ないことである。このような中国ファンドの動向を注意深く見守る他ないのが現状。

6月5日付、産経新聞による「OD05」の日本株保有時価総額と株主順位(カッコ内)は以下の通り。単位:億円

トヨタ(自)1920(9)、三菱UFJFG、1375(3)、三井住友FG958(4)、ホンダ(自)938(7)、みずほFG760(3)、キャノン731(5)、ソフトバンク687(7)、武田薬品627(5)、NTT626(5)、日立制作所567(3)

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