新木造耐震工法
古い木造建物住人にとって確かな朗報を本日(11月30日)の京都新聞で学んだ。
それは或る一部屋だけでも補強しておけば、阪神大震災クラスの震度7相当の震度(横揺れ)に耐えられることを京大防災研究所などのグループが29日、実験して証明した。(写真)
1970年代の旧耐震基準を想定した木造2階建て家屋で、1階6畳の一室に壁柱を設けた実物大模型を使用、ワイヤーで水平方向に引っ張って横揺れ状態を再現、補強がしていない模型とその、損害結果を比較したところ、補強していない部分は大きく傾いたが、「壁柱」を施した部分はその3割程度しか傾かず、建物を崩壊から支えたことを証明した。
去る10月、補強が施していない家屋模型に震度5強から6弱相当の力で建物を引いたが、建物は大きくゆがみ倒壊した。 “今回の実験では横揺れの力を「壁柱」が受け止めたのだろう。一部屋を補強するだけで建物全体の東海が防げることが判った“(防災研の川瀬博教授)
壁柱とは、角材をボルトなどで連結した分厚い板で、強い横揺れに耐える変形への強さが特徴と考えられる。
筋交いや、合板パネルに比べ価格の高さが課題だが、一部屋だけの補強なら80万円程度で施行可能とのこと。
わが国では、昔から一本の釘も使わずに、ノミとカンナとノコギリだけで組み立てる宮大工の技術を誇大に強調する傾向があったが、その点、最近の西洋式建築法では要所、要所に鉄材を使用して頑強な木造建築法が盛んである。
未だに「数寄屋建築」に拘り、母屋に不均衡な総ヒノキの門構えに拘る日本人は少なくないが、地震の多い島国に適した建築技術の研究こそ必要なのでは?
前の戦争で、空襲の被害から免れた古い家屋の多い京都では、「町屋」と呼ばれる古い民家が各所に散見される。
今後のことを考えて、そのような家には、喩え1部屋でも「壁柱」を施して未来の災害に備えることこそ必要と考える。
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