« ボーイング社の共同体構想 | トップページ | 宇治川電気の由来 »

「ジビエ」の推奨

Photo

11月14日付、日経産業新聞の“キーマンガ結ぶ”欄に、「わかやまジビエプロモーション」のキャプションで、鳥獣肉流通整え消費促す、と書かれていた。

 

「ジビエ」とな何かと思って辞書を引くと、これはフランス語「gibier」(ジビエール)の事であると判った。

狩猟をして捕獲した野生の鳥獣のこととで、主としてフランス料理で使われる名称と知った。その範疇には肉種が貴重になり、飼育して食材に供される種類の肉も含まれるらしい。

 

日本では地方の狩猟会のメンバーが鉄砲で射止めた野生の動物、猪、鹿、キジ、等の種類を指す。

日本ではまだまだ一般的ではないが、和歌山県では“わかやまジビエ”の名称の認知度アップ、消費の拡大に取り組んで、少しずつではあるが、事業として広がりつつあると同誌は報じている。

 

地形的に山の多い紀伊半島では毎年、野生の鳥獣による自然破壊や農作物への被害が多く、2008年以来「ジビエ」事業に取り組み始めたのは必要に迫られたから始まった。

 

我が国では、特に奈良では、鹿が春日神社の神聖な獣として、堅くその殺戮が禁止されていたこともあってか、むやみに野生の鳥獣を殺して食する習慣には慣れていなかった。

 

ジビエのハンティングでは仕留めた獣は「血抜き」され、規則に従って解体、数日をかけて捕獲肉の熟成に考慮が必要と云われる。

山地では野生動物は厳しい冬に備えて栄養を蓄える習性があり、従って、その頃がジビエの旬と呼ばれている。

 

わが国では「マガモ」、「アヒル」、「ヤマウズラ」、「キジ」、「ライチョウ」「ヤマシギ」の様な鳥類、獣類では、「野ウサギ」、「シカ」、「イノシシ」等が代表的な種類である。

 

兎を一羽、二羽と呼ぶ慣習があるが、これは、恐らく、鶏肉であるとして食していた名残りだとされている。一般的に肉食が広まったのは明治時代以降と考えられているが、魚が貴重な処(山国)では栄養補給には野生動物は欠かせない食材なので、我が国ではマタギやシカリと呼ばれていた猟師たちがクマ、猪、キジなどを捕獲していたことは事実。

外国ではシカ肉をヴェニソン(venison),と呼んで、特にドイツ系の食材だが、筆者は一度、ニュージーランドで食べたが、鹿独特のにおいがあったことを覚えている。西洋では、子羊(ラム)やヤギなども広く食されている。

 

和歌山県では野生動物の被害を少なくする対策として、それらの捕獲を始めたが、その結果、肉の処分に困って農林畜産部畜産課に鳥獣肉の利用対策を検討するよう指示が下った。

 

「和歌山ならではのジビエを都会人にも食べてもらおう」と畜産課課長の小西英邦氏(55)は和歌山県のホテル協会にジビエを活かした新メニューの考案に協力を要請、その間に安全品質と安全供給が必要と、衛生面の基準を定めて処理施設の拡充と流通システムの整備に力を入れた。

 

老舗の和歌山市内の専門業者「いの屋」の社長、北浦順嗣(65)はこれに、いち早く賛同、これまでは小規模であったジビエを今後、「企業」に育成して、県内に広がる農作物の被害対策をも視野に入れ、一石二鳥のビジネスと大張りきりしている。

 

昨年には一般も参加した“レシピ・コンテスト”を開催した。2月の「」ジビエ・ウイークには県内の飲食店、宿泊施設53店舗が参加するまでにも成長、今年も大阪、東京で試食、商談会を開き、「肉質のレヴェルは高い」と云う認知を得たと云われる。

 

わが国では昔から「お上」の承認、奨励がなければ平民は新しい「業種」には慎重で事業にはなかなか発展する例は少なかった。

今回の場合もやはり「お上」の認可を得て始まっているが、この辺に未だ「士農工商」の悪弊は消えることなくつづいている。

 

美味で安全な食材なら勇気をもって始めるべきで、最近全国で起きている食材の偽装問題には、業者だけでなく我が国の消費者にも一端の責任があるように思えてならない。

 

先入観、(preconceived notion)が邪魔して、新しいものに手がでない習慣も我々には潜在する、これこそ、西洋人の冒険好き、と東洋人の保守思想の違いで、

特に、TPP協定を今後考える場合、食材に乏しい我が国の食料に対する姿勢を勇気をもって再考する余地があると信じる。

 

|

« ボーイング社の共同体構想 | トップページ | 宇治川電気の由来 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/304622/53953809

この記事へのトラックバック一覧です: 「ジビエ」の推奨:

« ボーイング社の共同体構想 | トップページ | 宇治川電気の由来 »