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「オステンド・マニフェスト」

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アメリカ南部のフロリダからキューバは僅か、140キロしか離れていない。

従って、キューバは正にアメリカの裏庭のような場所と考えられてきた。

その事は、”モンロー主義”の考えからすれば、此処だけは、どの国にも取られたくないテリトリーで、その考えは、アメリカがメキシコ戦争で、西南部の広大な地域を併合した1840年代から次第に顕著となった。

 

アメリカが、キューバをスペインから購入する世論は1848年、メキシコとの交渉(Guadalupe Hidalgo Treaty)で、テキサスとの境界線をリオグランデまで延長、1500万ドルを支払って、テキサス、カリフォルニア、ニューメキシコ、アリゾナ、ネヴァダ、ユタ、ワイオミングの一部とコロラドまでの領域をアメリカに取りこむことに成功した。

 

そこで浮上したのが、アメリカ、スペイン大使ピエールスーレ(pierre Soule)の提唱でベルギーのオステンド(ostend)で秘密裏に開かれた会議に於いて宣言の形で発表された、「オステンド・マニフェスト」と呼ばれるものである。

 

この草案が出来上がったのは、1854年、(ペリーによる日米親善条約成立の年)ベルギーのオステンドに於いてのいわば密約で、もし、スペインが応じなければ、キューバを”もぎ取る"(justfied in wreting)との物騒な内容をもつものであった。

 

この宣言のなされた4ヶ月後、これが下院に於いて公開され「オステンド マニフェストと名付けられたが、これは最終的には否決された。

 

キューバを奴隷州として取り込む企ては、アダムス大統領、ジェファソン大統領の頃(19世紀初頭)からのアメリカの言わば悲願とも云うべきもので、スペインの勢力の衰退が始まった19世紀に至って、アメリカの拡張主義が活発になるに従って顕著になった。

 

1897年、マッキンレーが大統領になった頃から、キューバとハワイで不穏な事件が続出しだした。所謂「アジ」の種類の事件だが、これに類する事件の多発は半世紀前にテキサスで起こった騒乱事件、「アラモ」に似たもので、キューバでは「事件」を主題とした新聞報道が多く見られるようになった。(イエロー・新聞戦争)

 

このような騒乱を起こした「主役」を断定することは出来ず、その間、アメリカの世論はますますスペインの圧政ぶりを非難した。

 

運命の日は、1898年2月15日にやってきた。アメリカの新造戦艦「メイン号」がキューバのハヴァナ港で何者かに爆破され、多くの死傷者が出る事件が起こった。

これが人的な爆破なのか、単なる事故なのかは未だ解明されていないが、これが機雷の触発で起こったと云うニュースが流されるや(3月28日)、「メイン号を忘れるな!」と云うスローガンが全国に広がりを見せ、それを機に、アメリカ中が好戦的ムードと変わり、それこそ、40年ほど以前、「オステンド・マニフェスト」でアメリカが望んでいたムードになった。

 

宣戦布告から一週間後の5月1日には、予め派遣されていたデューイ提督率いるアメリカ海軍、フィリッピン海域でスペイン艦隊を撃破、その間、グアム島をも占領して米西戦争は幕を閉じた。

 

筆者はこれについてこれ以上、詳しい経過は知らないが、それと同じような事件が、それから半世紀も経たない、1941年12月7日(日)早朝、太平洋の中心地点のハワイ諸島で日本を相手として起こったことは未だ忘れない。

 

この「パール・ハーバー事件」は「ハヴァナ事件」と同じような環境で勃発したことを我々は忘れてはならない。

 

1997年発行のロバート B,スティネット(Robert B, stinnett)著、Day of deceit(欺瞞の日)には、941年12月7日(日)ハワイ諸島、ホノルル市、パール・ハーヴァー軍港で何が起こったか、また、それがどのようにして起こったかを克明に解説した、いわば、[Behind the scene]の暴露本ともいえる著作で、これは、最近“真珠湾の真実”-ルーズベルト欺瞞に日々―と云う見出しで発行された。(妹尾作太郎監訳、荒井稔・丸田知美―共訳)文芸春秋出版)

 

太平洋の真っただ中にあった無人の環礁をミッド・ウエイと名付けてアメリカ領に編入したのは、米西戦争のころであり。その名称「midway」は中間地を意味しているところから考えて、その頃からのアメリカの意図が何処にあったのかが考えさせられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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